算数


    「2つの円に接しながら動く円周上の点」

    別の図形に接しながら転がる円の動きを考える場合には、図形の角などを通過して方向が
    変わるところの図を描いて考えることが大切です。この問題では2つの円に同時に接する
    ところを図で表して考えると解答しやすいでしょう。

<問題>

 たがいに接している半径8cmの円A,円Bがあります。はじめに図1のように半径8cm
の円Oが円Aと円Bの両方に接していて,円Oの周上の点Pが円Bの周上にありました。
円Oが図2のように,すべることなく矢印の方向に回転しながら円B,円Aの周上を移動
するとき,次の各問いに答えなさい。

  

[1] はじめて角ABOの大きさが120°になったとき,角POBの大きさを求めなさい。

[2] 点Pが次に円Aまたは円Bの周上にきたとき,角POBの大きさを求めなさい。

[3] 点Pがふたたび図1の位置にくるまで円Oを移動させたとき,次の(1),(2)に答え
  なさい。

  (1) 点Pが円Aまたは円Bの周上にくるのは,図1の点Pの位置を含めて何か所あり
    ますか。

  (2) (1)で求めたすべての点Pの位置を頂点とする多角形を作ります。その多角形の
    面積は,図3の半径8cmの円周上の3点S,T,Uを結んでできる正三角形の面
    積の何倍ですか。















<解答>

[1] 3つの円は同じ半径なので,円Oが転がる時に動いた部分の弧の長さは等しく,また
  中心角も等しくなります。

  はじめの三角形角ABOは正三角形なので,もともと角ABOは60度です。それが
  120度になるので,

   120−60=60度

  点Pも円周上で接点の位置から60度進んでいます。

    

  よって角POB=60度です。

                              答 60度


[2] 円Bでは円周の3分の2,240度分回転したきは次の図のようになります。

    

  点Pが再び接点になるにはあと60度回転する必要があります。

    

  上の図で三角形AOPはOBを底辺とする二等辺三角形で,角POBはその底角にあ
  たります。

  頂角OABは120度なので,

   角POB=(180−120)÷2=30度

                              答 30度


[3] (1) 2つの円A,Bに同時に接した瞬間に60度進んだことになります。したがって
    300度進むと点Pが接点になります。

    

    円Oが接する部分は上の図の緑のおうぎ形の弧の部分です。順に点を打っていく
    と,次の図のようになります。元の位置で接する最後の回転では同時に接すると
    きが2度あります。そのため240度だけ進んでいます。

    

                              答 5か所

  (2) 与えられた正三角形を次のように3つの二等辺三角形に分けます。

    

    できた五角形を次のように11個の正三角形と二等辺三角形に分けると,それぞ
    れが上の図の二等辺三角形1つと等しい面積になります。

    

     11÷3=3

                              答 3


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