算数


    「円が転がる時に通った跡」

    転がる円の通った跡の面積に関する問題はよく出されます。以前は多角形の周囲を完全に
    1周するものも多く出されましたが,最近は以下のような問題が増えています。このよう
    な問題では,面積を求める部分をいくつか計算がやりやすい形に分けることが必要です。

<問題>

 半径1cmの円を図のように矢印の方向にすべることなく4回転させたら,A地点からB地点に移動しまし
 た。次の問いに答えなさい。
  

(1) BC間の長さを求めなさい。


(2) A地点からB地点まで移動する間に,この円が通った部分の面積を求めなさい。















<解答>

(1) BCの長さは,長方形の縦2倍と弧EFの長さの和と線分ADと曲線ABの長さ(半径1cmの円の4周
  分)の和の差です。

  

  長方形の縦2倍と弧EFの長さの和は,

   10×2+8×3.14×

   =32.56cm

  線分ADと曲線ABの長さの和は,

   1+1×2×3.14×4=26.12cm

  よって,

   32.56−26.12=6.44cm

                                               答 6.44cm


(2) 円が通った跡は次の図の赤・青・緑の部分を合わせた部分です。

  

  赤の部分は,ともに横2cmの長方形で,縦の長さが,

   長い方 10−1=9cm

   短い方 10−6.44=3.56cm

  面積の和は,

   (9+3.56)×2=25.12cm2

  青の部分は,直径12cmの半円から直径8cmの半円を除いた部分なので,

   6×6×3.14×−4×4×3.14×

   =31.4cm2

  緑の部分は,合わせると半径1cmの円になるので,

   1×1×3.14=3.14cm2

  よって,

   25.12+31.4+3.14=59.66cm2

                                              答 59.66cm2

ページTopへ