算数


    「容器から水をこぼす問題」

    容積に関する問題は中堅レベルの学校で特によく出されます。いくつかの問題がありま
    すが、この問題では底になる面を変えた時の深さの違い、傾けた時にこぼれる水の量と
    いう2つの代表的な問題が含まれています。他校の志望者にも大いに参考になるでしょ
    う。


<問題>

 次図のように色のついた部分まで水の入った立体を水平な床の上に置きます。この立体
を面EFGHを底面として置くと水面までの高さは,この立体を逆さにして面ABCDを
底面として置いたときの水面までの高さより2cm低くなります。

  

(1) 面EFGHを底面として置いたときの水面までの高さを求めなさい。


(2) 面EFGHを底面として置き,面ABCDを取り外しました。
  FGを床につけたまま,側面BFGKJCが床と45°となるように傾けたとき,流れ
  出た水の量は何cm3ですか。


(3) (2) の後,再び面EFGHを底面として置き,今度はEFを床につけたまま,側面A
  BFEが床と45°となるように傾けました。このときの床から水面までの高さを求め
  なさい。















<解答>

*容器の頂点だけを下につけて傾けた場合ではないので、手前から見える部分を底面とし
 て考えて解きます。

(1) 容器で水の入っていない部分を考えます。

  面BFGKJC側から見た、次の2つの図の奥行きは等しくなります。

  

  左の図の赤い長方形の面積と右の図の赤い長方形の面積は等しいので、

   □:△==5:3

  □と△の差が水面の高さの差なので、

   □=2cm÷(5−3)×5=5cm

  水面の高さは、

   17cm−5cm=12cm

                             答 12cm


(2) こちらも容器で水の入っていない部分を考えます。

45度だけ傾けた場合には、面KGHL側から見た図は次の図のようになります。

  

  手前にできる水が入っていない部分の三角柱の体積は、

   (4×4×)×8=64cm3

  奥にできる直方体で水が入っていない部分の三角柱の体積は、

   (16×16×)×12=1536cm3

  もともと水が入っていなかった部分の体積は、

   16×12×5=960cm3

  よって、流れ出た体積は、

   (64+1536)−960=640cm3

                             答 640cm3


(3) こちらは容器で水の入っている部分を考えます。

  水が入っている水の量は、

   16×12×12+16×20×5−(64+1536)
   =2304+1600−1600
   =2304cm3

  よって面BFGKJC側から見た図で、水が入っている部分の面積は、

   2304÷15=144cm2

  まず図形が完全な直角二等辺三角形なると考えます。

  

  左の図のようになる場合が最大で、その面積は、

   17×17×=144.5cm3

  これより小さいので、右の図のように深さを□cmとして計算できます。

   (□×2)×□×=144

   □×□=144

   □=12

                             答 12cm

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