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入試問題のポイント(算数)

■点の移動と面積比

点の位置によって面積が変わる問題は,点が動く速さをもとに辺の長さを計算して,底辺の比や高さの比を求めて解きます。この問題では速さと道のりの比例関係を使う設問もあり,練習問題としてもよい問題です。

■問題

 太郎君と花子さんが次の図のような長方形ABCDの公園の周囲をA,Bから同時に出発して,それぞれ反対回りに歩きます。太郎君と花子さんの歩く速さの比が3:2で,2人の歩く速さは一定なものとします。このとき,次のそれぞれの問いに答えなさい。

(1) 歩き始めて,最初にEの地点で出会いました。このときA,Eを通る直線で長方形の公園を2つの部
  分に分けたとき,小さい方と大きい方の面積をもっとも簡単な整数の比で表しなさい。

(2) 長方形ABCDの公園の周囲の長さを求めなさい。

(3) 2人がこのまま歩き続けるとき,太郎君の歩く速さを毎秒1.8mとすると次に出会うのは何分後で
  すか。
















■解答

(1) 長方形ABCDの対角線ACを引くと,高さが等しい3つの三角形ADE,AEC,ACBに分かれま
  す。

  高さが等しい三角形の面積比は底辺の比に等しいので,
  この3つの三角形の面積比は,
   DE:EC:AB=68m:12m:(68m+12m)
           =68m:12m:80m
           =17:3:20
  よって,小さい方の面積と大きい方の面積の比は,
   17:(3+20)=17:23
                                 答 17:23

(2) 太郎君と花子さんの歩く速さの比が3:2なので,最初に出会うまでに2人が歩いた道のり(距離)
  をそれぞれ3,2とします。

  最初に出会うまでに歩いた道のりの差は,DEとCEの差にあたります。
  太郎君が初めてEに着くまでに歩いた距離は,
   (68m−12m)×=168m
  これより,AD=168m−DE
         =168m−68m
         =100m
  公園の周囲は,
   (80m+100m)×2=360m
                                  答 360m

(3) 「出発してから何分後」という表現ではないので、1回目に出会ってからの時間を考えます。
  太郎君の速さが毎秒1.8mで,太郎君と花子さん速さの比は3:2です。
  これから花子さんの歩く速さは,
   毎秒1.8m×=毎秒1.2m
  2人合わせて1周すれば再び出会うので,旅人算の考え方を用いて,
   360m÷(毎秒1.8m+毎秒1.2m)=360m÷毎秒3m
                       =120秒
                       =2分
                                   答 2分後