2002年7月9日(火)訪問:駒場東邦中学・高校は副都心渋谷にほど近い世田谷区池尻にある。周辺は東大のほか、筑波大駒場中・高、都立国際高、都立駒場高、都立芸術高、日本工大付属中・高が立ち並ぶ文教地区である。1957年東邦大によって創立された中高一貫校で、御三家その他の難関校に比べて歴史は浅いが進学校として着実に歩んできた。長い間、御三家に次ぐ難関進学校という位置づけだったが、近年は入試難度や進学実績ともに御三家の一角武蔵を凌ぐまでになってきた。学校長工藤功悦先生、高校教頭渡辺俶充先生、中学教頭吉田稔先生にインタビューした。
ほくしん教務統括 中山秋子

「初めての内部昇任の校長で戸惑いもあった」

(中山)
工藤先生は駒場東邦で初めて外部招聘ではない校長先生と伺っております。俗に言う「生え抜き」の先生として学校運営の責任者という立場になられてのご感想をお聞かせ下さい。
(工藤先生)
私自身が長く中学・高校の教頭を務めていたので、学校のことはよくわかっていました。しかし、校長と教頭とでは役割や責任が違います。先代の菱村校長が病のために退くとき、後任に指名され正直のところ戸惑いがありました。
(中山)
菱村先生から後任に指名されたのも、工藤先生が長く勤めてこられて駒場東邦のことをよくご存じだったからだと思います。
(工藤先生)
菱村前校長からも「長くやってきて学校のことは一番良く知っているのだから君がやりなさい」と言われました。確かに担任として平成元年の卒業生を送り出してから教務や教頭を務めて、現場以外からも本校の様子を見てきました。
(中山)
これまで、駒場東邦が外部から校長を招聘するというシステムを続けてきたのはなぜだったのでしょうか。
(工藤先生)
私立学校の場合には異動がないことが大きな理由でしょう。異動がないためにどうしても滞ってしまう部分があるからです。
(中山)
やはりそうでしたか。ある校長先生は「私立には異動がないので公立以上に教師の常識と世間の常識にズレが生まれる」とその危険性についておっしゃっていました。
(工藤先生)
そこまで言い切れるかどうかは分かりませんが、唯一外部からやってきた校長だけが、他の教員とは違った新鮮な目で学校の様子を見ることできます。学校にある内部の人間からは見えない部分を見つけてもらうことが大切だと考えてきたわけです。進めたり修正したりすることができます。
(中山)
駒場東邦が伸びてきたのは、そのようなシステムで修正を繰り返して来られたことにも一因があるのでしょうね。
(工藤先生)
そうですね。本校はよく「家庭的な面倒見の良い学校だ」とお褒めをいただきましたが、内部の人間にはその理由がわからなかったのです。校長から理由を指摘されて「そうだったのか」と理解できたほどです(笑)。
(中山)
なるほど。そのようなこともあるのですね。
(工藤先生)
外部から校長を招聘してきた理由にはもうひとつ、対外的に著名な校長であれば生徒募集がやりやすかったという点もあるでしょう。名前を挙げるだけで宣伝になったと聞いています。内部昇任の私ではとてもそうはいきません(笑)。
(中山)
募集のためというのは今の駒場東邦からは考えらない理由ですね。そういう点では生え抜きの校長先生が誕生しても良い時機だったのでないかと思えます。
(工藤先生)
まだ何とも言えないというのが実情です(笑)。
(中山)
現場の先生からするといかがでしょうか。初めて「生え抜き」の校長先生になって違ってきた部分はありませんか。
(吉田先生)
システムの上での変化はありませんから違ってきた点はあまりありません。ただ、初めてのことではあっても学校のことを良く知っている校長だという点で、教員にも、生徒にも、保護者の方にも受け入れやすかったと思います。順調なスタートだったのではないかなと思っています。
(工藤先生)
いやいやそれは違いますよ(笑)。教員の協力があったからここまではうまく行っているというところでしょう。
(中山)
現場をよくご存じの工藤先生とお話をするのは、他の先生にとってはいかがですか。
(吉田先生)
校長が学校の成り立ちをよく知っていますし、卒業生についても知識や情報が豊富です。いろいろと相談ができるのでとても良いと思います。
(中山)
工藤先生は、他の先生方とお話をされる機会を多く設けられているのですね。
(工藤先生)
いろいろなことで気楽に話してくれるし、私の方からも気楽に話ができます。教頭ともずっと一緒にやってきていますので、お互い気心を知っています。それで校長として1年間務めることができました。
(渡辺先生)
内部昇任の校長が誕生して一番喜んだのは私かもしれないなあ(笑)。
(中山)
それはなぜでしょう。
(渡辺先生)
今までの校長は社会的にも著名で実力のある方ばかりだったので、その経験を学校に伝えてもらえる点では実に良かったのです。が、どの校長も本校のシステムについては全くご存知ないので、最初に校内の全てについてをご案内する必要がありました。
(中山)
前回菱村先生の折りに訪問をしたときそれは分かりました。これまでは、引継ぎなどで特に教頭先生はたいへんな面もあったのですね。
(渡辺先生)
その時はよく分からなかったのですよ(笑)。工藤校長になって、すべての事がわかっているので、多少怠けても(笑)校長にやってもらえましたので実感しました(笑)。それと「内部昇任の校長だから盛り立てていかなくてならない」と他の教員にも話がしやすかったですね。新校長の最初の年はいろいろとたいへんなのですが、この1年は実にスムーズだった(笑)と思います。
(工藤先生)
私がつべこべ言っても「あいつの言うことだから仕方がないや」(笑)と協力してくれたようですね。
(吉田先生)
みんな校長室の敷居が低くなった感じで気楽に入れるようになりました(笑)。

「生徒には自分の感覚で伝える方が良い」

(中山)
生徒の皆さんはいかかだったのでしょうか。菱村先生は「この部屋は生徒がなかなか入りにくい位置にあるから、生徒を呼ぶと『お説教かな』と思ってしまう。残念だ」とおっしゃっていらしたのを記憶しています。以前より入りやすいところになったのでしょうか。
(工藤先生)
多分そうでしょう。あそこにお茶の仕度がありますね。「お茶は自分で淹れるから」と調えてもらったものですが、生徒が来ると「お茶は自分で淹れろ」と言います。卒業生なら「何を飲む?」と淹れてやりますが(笑)。
(吉田先生)
学校案内の1ページ目を見るとわかりますが、ふつうそこには校長の顔写真があるものでしょう。工藤校長になって、生徒と雑談をしている写真にしてあります、校長の気持ちを表しているものにしました。生徒も「今日、校長先生と話をしたんだ」と母親に報告するらしいですよ。
(工藤先生)
これまでも生徒と一緒に授業をしてきたし、クラブ活動でも一緒に汗を流しましたから、今でも一緒に遊んでいるのです(笑)。
(中山)
よろしければ担当教科と顧問クラブを教えてください。
(工藤先生)
国語です。昨年久しぶりに中1の授業を担当しました。今年は中3です。中学生と遊んでいます(笑)。中1はまとわりついてくるのでよく遊んでいます。クラブは硬式テニス部の担当です。
(渡辺先生)
テニスでは高校生も校長に敵わないですよ(笑)。練習合宿にも付き添ってくれます。
(中山)
それはすごい!!体力がおありなのですね。
(工藤先生)
歳を取るとごまかしが効きますから(笑)。随分長い間指導しています。硬式テニス部のOB会があるのですが、校長になったというので記念にラケット模様のネクタイをくれました。OB会には必ずしていかないと叱られるなと思っています(笑)。
(中山)
OBがそのように集まるのは相当厳しい練習で充実した時間が過ごせたからだと思いますが。
(工藤先生)
いやいや。大したことはないですよ。
(中山)
先日お伺いした富士見の校長先生がやはり硬式テニス部の顧問だった時は「元日以外はみな練習だった」とおっしゃっていました。
(工藤先生)
私も休みなく練習しました。結婚した後、女房に「あなたの学校は休みがないのね」(笑)と言われましたね。
(中山)
やっぱり(笑)。
(吉田先生)
スポーツマンですから山にも一緒に出かけてくれます。活動的な校長です。
(中山)
お見受けしていて分かります。先ほど、子どもたちがまとわりついてくるというお話がありました。久しぶりに中学生の授業を持たれて生徒が幼くなった印象をお受けになりませんでしたか。
(工藤先生)
そうですね。本校に来て40年近くになりますが、昔はこんなにまとわりついてきたかなと思いますね。中1は幼稚だといえば確かに幼稚なのかもしれません。ただ、高3までの間に肉体的に大きく成長します。廊下ですれちがった時など「大きくなったね」と声をかけると「1年間で10cm以上伸びました」という生徒もいます。その間に精神的にも成長していきますね。
(渡辺先生)
私は高校の教頭をしていますが、中2の国語の授業も持っています。非常に楽しく授業ができます。が、やはり最近は幼さを強く感じますね。
(中山)
中2は成長の過程ではいろいろと難しい時期だと思います。駒場東邦の皆さんはいかがですか。
(吉田先生)
本校の場合にはむしろ中3の終わりの方が難しいと感じます。そういう点ではさらに成長が遅いのかもしれません。
(工藤先生)
小さい時期は言わば身体をぶつけ合ってのつき合いですが、次第に会話に変わってきます。中3あたりがその境になるでしょうか。高校生は完全に会話で伝達しようとしています。その時にどれだけ話を聞いてやることができるかが大切です。
(中山)
最近の中学生は言葉を用いて気持ちや考えを伝えることが上手にできなくなっていると言われます。自分の考えが受け入れられないと暴力的になったり、髪の毛を染めて外見から自己表現をしたりすることにも関係があると思われます。駒場東邦ではいかがでしょう。
(工藤先生)
本校の場合、生徒たちそれぞれが常識をわきまえて行動できるだろうと考えて接してます。だからあまり厳しい校則はありません。いらっしゃったお母さん方から「駒場東邦にも茶髪の生徒がいるんですね。学校から認められているんですか」と言われます。
(中山)
どのようにお答えになるのですか。
(工藤先生)
「生徒たちに認めている訳ではありません。茶髪にしたから退学だということではないだけです」と答えます。生徒は、何かを校則として定めて強制することに反発するものです。校則を掲げるより、生徒に対して「その格好はだらしがない」と直接言って注意する方が良いと考えています。
(中山)
生徒に対する信頼が根底に感じられます。
(工藤先生)
そうですね。生徒を信頼しています。流行している最中でも生徒それぞれは自分なりに考えて対処することができると思っています。生徒とは自由に会話できる雰囲気がありますから、「それはおかしな格好だぞ」「イイじゃないですか」「君たちは良いと思うかもしれないが、私の感覚ではおかしいと思う」などという会話の中で、こちらの感覚を伝えることができます。
(中山)
それが伝わるのは駒場東邦の生徒が優れていることの証明ですね。
(吉田先生)
出かける時間になりましたので、私はここで失礼します。後は校長と渡辺教頭に任せます。どうぞこのまま取材を続けてください。
(中山)
お忙しいところありがとうございました。

「入試の国語では、どのように読み取って、どのように考えたかを診たい」

(中山)
お二方とも国語の担当ということですので、国語の指導についてお伺いします。やはり国語力の低下はお感じなりますか。
(工藤先生)
知識の量は増えているだろうとは思いますが、表現力という点では確かに落ちてきていると感じます。
(中山)
原因はいろいろあるとお考えだと思いますが、特に問題だとお思いになっていることは何でしょう。
(工藤先生)
読書の量でしょう。私たちの時代にはテレビはありませんから、共通した本を読まなくては友だちの輪の中に入っていくことができなかったものです。今はマンガやテレビ番組、あるいはゲームがその役割を果たしています。
(中山)
大人が子どもにそのような生活を認めていることにも問題がありますね。
(工藤先生)
お父さん方やお母さん方は若いから私たちの経験とは違う部分もあるかもしれませんね。テレビなどの映像メディアを通じての情報は大量ですが、とても断片的なものです。そして直接に映像が入り込んできます。文字を読んで得られる情報は想像力をかきたて自分なりのイメージをつくるものなので、その差はとても大きいと思います。
(中山)
まったく同感です。
(工藤先生)
あることについて映像を与えられてしまうと、固定したイメージが作られてしまいます。想像力を働かせる機会を奪い、許容の範囲を狭めていきます。一面的な見方をしてしまいがちです。
(中山)
そのような状況を打ち破るために読書指導に力を入れられているのですね。
(工藤先生)
その通りです。読書を通じて考えることを育てていく必要があると感じています。国語科では読書ノートの作成や推薦図書の紹介をします。が、各教科でも「この本を読むといいよ」や「この本は読みなさい」と推薦図書を紹介しています。自分から読むことができない生徒もいるので「いかにして読ませるか」という点での努力をしています。
(中山)
入試問題にも反映されていますね。
(工藤先生)
入試問題も相当長い文章を読ませます。どのように読み取って、どのように考えたかを診たいと考えて出題しています。
(中山)
いろいろな問題を提起する文章、それについてどのように考えるかという設問が多いですね。特に2000年の不登校になった子どもが主人公の作品(注:岸川悦子『青い部屋』)は特にその傾向が強かったように思います。最近の中学入試の問題の中で個人的には最良の問題の一つだと思っています。
(渡辺先生)
あの文章ですか…。中学入試の問題として適切な内容なのかどうかについていろいろ議論があった出題なので、とても印象に残っています。
(中山)
ある意味ではタブーと思われる不登校について取り上げられたのは勇断だったと思います。今後も深く考えさせる問題を出題してほしいと希望しています。
(渡辺先生)
題材選びはとても難しいことです。いつも困っていますがこれからも努力していきましょう。
(中山)
国語力の問題に戻します。直接に国語の得点力を上げるための努力もされていると思います。具体的なことをお聞かせ下さい。
(工藤先生)
大学入試に向けての国語指導としては、面談添削がまず挙げられます。
(中山)
それは何でしょうか。
(工藤先生)
小論文の指導で、書いてきた生徒と面談をしながら添削していく方法です。書いた物を集めて添削するのでは、書いた生徒の考え、思い、狙いを誤解したままで直してしまいます。自分の思惑通りに書くにはどのような表現をしていくのが良いかを面談しながら指導していきます。
(中山)
なるほど。効果はいかがですか。
(工藤先生)
ものすごいものです(笑)。せいぜい4・5回の指導で大きく成長しますね。しかし土台となるのはいろいろなものの見方です。一朝一夕では身に付かないので中学・高校の6年間かけて培っていきます。読むだけではダメですから、いろいろなことを書くようにします。国語だけではなく、どの教科でもレポートを書く機会などはとても多いですね。
(中山)
やはり書くことは大切ですね。最近は手紙を1度も書いたことがない生徒も多くいます。
(工藤先生)
昔なら「ラブレターが書けなきゃ、彼女もできないぞ!」と脅かしたものですが(笑)。

「子どもは集団でもまれていく中で順応性を高めて成長していく」

(中山)
最近の受験生について気がかりなことはございませんか。保護者の皆さんがどのようにお子さんを育てていけばよいのか参考になりますし、受験生へのメッセージとしてもお聞かせ下さい。
(工藤先生)
中学・高校の6年間お預かりする中で大きく変化をしていきますから、「こういうお子さんがほしい」とははっきりとは言えません。ただし、集団生活に順応する能力の高い生徒が良いと思います。
(中山)
なかなか順応しにくい生徒も多いようですね。
(工藤先生)
今は公立小学校では40人学級どころではなく、もっと少ない場合もあります。クラスの人数が少ないと順応しにくくなると思います。この制度が導入されるようになったのには子どもの数が減って教室や教員の数が余ってきたことがあります。それがいつの間にか「クラスの人数が多いから、いじめが起こる、不登校が起こる」ということに変わってきたように思います。
(中山)
データ的にもクラスの人数が減らされたことでいじめや不登校が減ったということはありませんね。
(工藤先生)
その通り、むしろ毎年増えています。保護者にも、「お母さんの井戸端会議と同じように、小さな集団になるとどうしても馴染めずはみ出す子どもができますよ」と話します。それぞれの授業でクラスを分割して指導するのなら理解できますが、生活単位であるホームルームを小さくするのは逆効果です。
(中山)
それはどういうことでしょう。
(工藤先生)
まず、生活の場を狭めてしまうことになります。友だち関係を作る上でも範囲が小さくなります。同じようなことに関心や好みを持つ子が全くいなければ、子どもははみ出してしまいます。もう1つには、子どもは集団でもまれていく中で成長していきます。大きな集団になればなるほど、勝手な動きをする生徒も多くなります。そのような時に周囲の状況を考えることや自分の考えを伝えることの必要性を感じることができます。
(中山)
なるほど。そこでの親の責任はいかがでしょうか。
(工藤先生)
親ですから当たり前のことですが、自分の子どもを中心にした見方になってしまいます。子どもが少ないこともあって、自分の子どもと相容れないものは避けて、理解しようとしない傾向があります。本当は相容れないものほど大切なものなのですが。渡辺教頭は長年ボーイスカウトのリーダーをしているので、そのような話をよく聞きます。
(渡辺先生)
先日、ある国立の付属小の先生と話した時に「今の小学校は本当に変わってしまった。授業をしている子どもたちに堪え性がなくなっていることがはっきりわかる。わがままで協調性のない子どもが多いので、共同して何かをやろうとしてもうまくいかない」と嘆かれていました。
(中山)
そのような話はよく伺います。
(渡辺先生)
原因は、男の子がお母さんと接する時間が長くなってしまったことが考えられます。男の子とお母さんの付き合い方と女の子とお母さんの付き合い方とは違うのではないかと思います。危険が迫るとお母さんは息子しか見ないで抱きかかえて保護します。だから子どもはいつまでもお母さんを頼り切ってしまうし、自分の意思を伝えるための会話をしなくなってきています。本校に入ってくる生徒でも本当に片言の会話しかできない生徒もいます。
(中山)
他の学校の校長先生からも同じようなお話を伺いました。父親も含めて家族の会話が成立せず、役割分担もはっきりしないことが原因だという指摘でした。
(渡辺先生)
そうだと思います。案外お父さんも同じように心配しているのではないかなと思うことがあります。ボーイスカウトに参加してみると、子どもたちに必要なものは協調性、生活力、危機管理能力だとよくわかります。本校でいろいろな種類の行事を設けているのも、それらを身に付けてほしいと思うからなのです。
(中山)
学校として保護者の方へのフォローも大切にお考えですね。駒場東邦の保護者の懇親会は有名です。
(工藤先生)
お母さん方同士でお子さんについていろいろと情報交換ができる場が必要ではないかと相談があったことがきっかけです。子どもの成長段階に応じて悩みが大きくなります。特に最近は子どもが自分から離れていくことが寂しいと感じられるようです。計画して学校に集まったり、時には学校外で集まったりして話をしているようです。
(中山)
先生方の参加はあるのですか。
(工藤先生)
行かなくても良いのです。呼んでももらえません(笑)。
(中山)
それは珍しいですね。
(工藤先生)
保護者と話をする機会があまりないので、呼んでくれなくとも顔を出すことは多いですね(笑)。
(渡辺先生)
行事には卒業生の保護者の参加もありますよ。先日も絵を勉強する会には卒業生の保護者がいらっしゃって、ついでに当時の担任を囲んでお茶を飲んで談笑していました。
(中山)
そのようなことがあることが駒場東邦が「家族的で面倒見が良い」という評判が立つ原因でしょう。
(工藤先生)
このようなことはよくありますね。生徒・教師・保護者の信頼関係で学校が成り立つものなので嬉しいことですね。
(中山)
保護者の懇親会もそうですが、駒場東邦の良い点などはあまりアピールされていないように感じます。進学実績などを支えているカリキュラム、生徒指導、諸々をもっと具体的にアピールされても良い時期ではないのでしょうか。
(工藤先生)
広報関係には若い人を入れて今育てているところです。
(中山)
「生え抜き」の校長先生になって、これまでとはまた違った意味での活性化を迎えるだろうと期待しています。

以上

学校風景1学校風景2学校風景3

☆付記☆工藤校長は気負うことなく粛然としかし率直に駒場東邦の教育を語られた。トップ校のひとつとしての余裕と自負が感じられる。授業や行事、クラブをなど指導し、校長を支えるスタッフも力量が高い。生徒を温かく見守りながら鍛え育む面倒見の良さでさらに評価が上がるだろう。
駒東URL