「日常生活の中で必要なことを気楽にやれることも大切だ」
(中山)
前回(1998年)のインタビューの折には、次期校長として引継ぎ業務の最中でした。その後、鴎友学園の校長として校務に携わってこられていかがでしたか。
(北野先生)
「何とか乗り切ってきた」(笑)というのが率直なところですね。
周りの教職員の支えがなくてはとてもやってこれなかったと思います。
(中山)
授業はお持ちなのですか。
(北野先生)
持っていません。
生徒と接する機会をなるべく多く持ちたいと考えてはいますが、思うようにはいきませんね。
ですから、修学旅行やいろいろな研修など、泊まりの行事には少しでも顔を出すようにしています。
(中山)
そのような時の生徒の反応はいかがですか。
(北野先生)
案外フランクに接してきます。学校の廊下ですれ違ったときとはずいぶん違います(笑)。
いろいろと話ができます。
(中山)
生徒からはいろいろなことを尋ねられると思いますが、印象に残っている質問をお聞かせください。
(北野先生)
そうですね。中3のある生徒には「私たちが勉強しているときに、校長先生は何をしているのですか」と尋ねられたことがあります。
(中山)
なんとお応えになったのですか。
(北野先生)
「何をしてると思う」と尋ね返したのです。そうしたらしばらく考えてから、「『そうだ、誕生会のことなどを考えている』と思う」と返ってきました。
よほど暇で遊んでいると思っているのでしょう(笑)。
(中山)
生徒にとっては校長先生の仕事はわからないのでしょう。このWEBページを見て「校長先生はこんなことをしているのか」と生徒に言われた先生もいらっしゃるそうです。
(北野先生)
そうかもしれませんね。その時私も「まあ、そんなものだろうな」とは思いましたが、「居眠りしているのでしょ」と言われたときには、さすがに、どう答えてよいか困りました(笑)。
(中山)
どうお応えになったのでしょう。
(北野先生)
「まそんなとこかな」って答えましたが、「あまり知られていないのも問題があるな」とは思いましたね。
(中山)
では、今日は生徒さんのためにも先生の毎日をお知らせしましょう(笑)。
そのように生徒が話しかけてくるのは行事の時でしょうか。
(北野先生)
ええ。歩いていると、集団から遅れる生徒がいるのです。そのような生徒を遅れないように追い上げる役をしているときが多いですね。
(吉野先生)
先生と話したい生徒ほど遅れるんですよ(笑)。
(中山)
生徒と接してみて何かお感じになることはありませんか。
(北野先生)
概して、最近の生徒は実生活に密着した経験が少ないと感じます。
たとえば、中1の追分山荘での生活学習でテーブルセットをするのですが、どこから手をつけたら良いかわからない生徒が多いですね。もちろん、「お茶碗を並べなさい」などと指示は出すのですが、テキパキできる子が少なくなりました。
やはり家でお手伝いをさせないからでしょうね。
(中山)
そのようなお話はよく伺います。
(北野先生)
ですから、保護者会では「お手伝いをさせてください」と何度も言います。でも、「そう言われてもやらせる暇がありません」と言われてしまいます。クラブ活動に熱心な場合、朝早く出て行って夕方に疲れて帰ってくるから難しいようですね。
(中山)
以前は、どんなに忙しくても何かの手伝いができる状態を作ることができたように思いますが。
(北野先生)
家事が簡便になりすぎたのではないかと思います。
高2にシュウマイ作りを教えると、「シュウマイって、こんなに簡単に、こんなにおいしくできるんだ」と感激するそうです。私が家庭科を担当していたときにも、中1で煮魚を作ったら、「初めて食べたけど、とてもおいしかった」と言われて驚きました。
(中山)
日常的なことができなくなることは心配ですね。
(北野先生)
同感ですね。机を拭くくらいのことでも上手な子と下手な子がいます。下手な子はさもたいへんそうにやっています。日常生活の中で必要なことを気楽にやれるのも大切だと思います。
(中山)
一般的に、日常的なことを気楽にできる生徒は成績も良いように感じます。
(北野先生)
そうですね。お料理などをやらせてみると気働きの良い子は頭の回転が速いとわかります。それによって学力も伸びるし、将来社会に役立つ仕事もできるようになると思います。
(吉野先生)
料理や裁縫などは女性だからするというわけではないと教えています。たとえば、仕事や勉強の関係で一人で外国に出かけていった際に、自分のことは自分でやることが大切だからだ、と教えています。
(中山)
その通りだと思います。その他には何かありませんか。
(北野先生)
挨拶ができなくなってきているのは残念だと思います。挨拶は人間関係を築く上で基本となる大切なことです。できないことを注意するだけではなく、教師の側から挨拶をするようにしています。それで少しはできるようになってきたと思いますね。
「生徒を悪者にしない」
(中山)
WEBを利用して保護者への連絡をされていらっしゃいますね。その中には掲示板も開設され活用されています。参加した保護者からの意見で印象に残ったことはありませんか。
(北野先生)
WEBとは違いますが、地域保護者会という小さな単位の保護者会でのことです。
「校長が挨拶しないから、うちの娘も言わない」
という話がありました。驚きましたが、そのように言われないようにしなくてはと思いましたね。
(中山)
挨拶の基本ルールに「目下の者が先に挨拶する」というのがあります。それを考えるとおかしな話だと思います。でも、今の子供たちには必要なのでしょう。気付くのを待つのではなく、ともかく範を示すということですね。
(北野先生)
そうだと思います。校長という立場では、「親御さんがきちんと挨拶のルールを教えあげなくてはいけません。」というべきなのでしょうが、そのときは驚いて何も言えなくなりました。
(吉野先生)
本当に驚きましたね。
(中山)
悪気がないから言ってしまうのですね。
(北野先生)
そうですね。教員に対する悪口なども、子どもの言ったままで親御さんから入ってきます。親は保護者としての一段高い位置から子どもを見て、注意を与える時には与えてほしいと思います。子どもの言い分を一方的に正しいと判断せずに「親は、大人としての正しいフィルターを通してから発言してほしい」とお話しています。
(中山)
そのようなお話を校長のような立場にある方がしてくださることは大切だと思います。
(北野先生)
はい。めげずにやっていきましょう。
追分山荘で2泊3日かけて、聖書の勉強、友だち作り、地理や歴史の勉強などをするのですが、その時の生徒のお行儀が年々悪くなっていると感じますね。食事中にテーブルに肘をついたり、脚を組んだりします。
食事中の作法を知らないので一から教えます。教わると意外にきちんとできることが多いのです。言われて「ああそうか」と思うことはきっと守れるものなのでしょう。きちんと教えることが大切です。
(中山)
女子校では校則のことがよく問題になりますが、校則はどのようにお決めになるのですか。
(北野先生)
校則はできる限り少ない方が良いと思っています。ただし、基本的なことはきちんと決めておかなくてはならないと思います。髪を染めることやパーマをかけることは健康の上からも良くないと思います。若い時は自然のままが一番美しい時期ですから、子どもたちにも自然の綺麗さで自分をアピールさせていきたいと思いますが、なかなかそうはいかないですね。
(中山)
そのようなことをしたい年齢なのでしょう。
(北野先生)
したい年齢というのは、当然通る関門だと思います。ですから、学校のきまりを破ることも、生徒にとっては結構楽しい思い出かもしれませんが(笑)、学校生活を送っているときには、きちんと守ったという思い出の方が価値があると思いますね。
(中山)
短いスカート丈やルーズソックスの問題もありますね。違反する生徒たちには大人が心配することは具体的には分からないのでしょう。
(北野先生)
短いスカートでは寒いものだから、ルーズソックスを膝上まで上げている生徒が多くいました。あれは本当にみっともない姿でしたね。保護者や卒業生からも「やめさせた方が良い」という意見が多数ありました。2年前のことです。そこでルーズソックスを禁止にすることにしました。今から振り返ると、その過程が一大事件でしたね。
(吉野先生)
その時、校内の様子はおもしろかったというか、すごかったというか(笑)。
「今まで見てきたけれども、本当にこれが限度だろうと思います。4月から、ルーズソックスはやめましょう」と校長から終業式の日に生徒に話がありました。
(中山)
その一大事件の過程を詳しくお聞かせいただけますか。
(北野先生)
先ほどお話しましたように、卒業生や保護者からも「みっともない」と再三言われておりました。半年前くらいから職員間でも、ああでもないこうでもないと話し合ってきていました。
そこで決断したのです。当然、生徒からの反発がありました。
「ルーズソックスが履きたいから鴎友に来た」という生徒もいました。
「そんなにルーズソックスが良いのならば私服のときに履きなさい」
「制服だから良いので、私服にルーズソックスではダサイ」
「そんダサイものをなぜ制服のときに履くの」など、ずいぶんやりあいました。
(中山)
結局、どのように決められたのですか。
(北野先生)
生徒の間でもルーズソックス禁止に賛成、反対が分かれていました。私が「制服にはふさわしくない」という一点張りだったので、生徒会から反発を受けました。役員を呼んで話をしました。その後生徒会に戻して相談させるという方法もありましたがそうはしませんでした。
(中山)
なぜでしょう。
(北野先生)
その子たちが賛成派、反対派の間に挟まれて悪者扱いされてしまう恐れがあります。生徒に悪者は出さないと言う考え方でもって、教員が一切の責任を取ることを伝えて4月から禁止に決めました。
(吉野先生)
臨時生徒総会を開いて、生徒会長が「ルーズソックス禁止を受け入れる」と言った後の、春休み中のWEB掲示板の書き込みがすごかったです。多いときには1日3千件を超えました。最初は感情的に「こんな学校やめてやる」「校長なんかやめろ」などというのが多かったです。
それでも、教師は一切書き込みを控えていました。今はこうしてお話できますが(笑)「このままではたいへんなことになるかな」と思ったほどでした。
(中山)
その後どうなったのでしょうか。
(吉野先生)
在校生、卒業生、保護者がいろいろな意見を掲示板に書いていました。
途中で他の学校の生徒が「鴎友学園はおかしい。校長は何をやってんだ」という書き込みをしたのですが、在校生がそれに対して「北野早苗はウチの校長だ。他校の生徒にあれこれ言われる筋合いはない」という返事を書いたりしておもしろかったですね。
結局、「そうなったのは誰の責任?」という在校生の書き込みをきっかけに冷静に客観的に考える意見が増えて、だんだんと収束しました。それでも、4月の始業式の日は不安でしたね。
(中山)
伺っているだけで、怖いような気持ちになります。
(北野先生)
怖いというより祈るような気持ちでしたね。「頼むから誰も履いて来ないで」と。
違反している生徒に会った場合は、全教員が同じように注意をする事になっていましたから、「脱げ!」と言わなければなりませんでしょ。そういうのっておたがいいやでしょ。
みんな願わくば願わくばという思いでその日を迎えたんです。
(中山)
それでいかがでしたか。
(北野先生)
その日は生徒にできるだけ会わないよう(笑)に、私はいつもより1本早い電車で通勤しました。でも、登校する生徒に一人の違反者もいませんでした。粛然としていました。後で教室でわかりましたが、初日に履いてきた生徒は3名だけでした。心から安心しました。
「学校の現状には満足していない。改革をさらに進めていく」
(中山)
冷静に考えることができる生徒が多いというのは鴎友のすばらしいところですね。
(北野先生)
後日、ある学校の先生から「鴎友だからできた収束の仕方だ」とお褒めの言葉を生徒にいただいたときにはとてもうれしかったです。
そのときの生徒会の役員の有志が卒業のときに校長室を訪ねてきて「ありがとうございました」と言って卒業していったのは、もっとうれしいことでしたね。
(吉野先生)
校長が真剣に対峙したということが大きいと思います。批判しても何も返ってこなければ、批判も議論も起こらないわけですからね。
(中山)
真摯な態度が生徒にも伝わったのですね。
学校がそのような状況に育ったのは、教務システムの改革など一連の学校改革の成果でしょうね。
(北野先生)
そう思いますね。たとえば、高校の卒業式だけを見ても変化が歴然としています。歌詞がとても難しくて音域が広く歌いにくいものです。以前は声が出なかったものです。最近の生徒は泣いていてもきちんと校歌が歌えます。誇りを持って歌っていることが感じられて実にうれしく思います。
(吉野先生)
それから、今年の謝恩会の出し物はうまかったですね。
(北野先生)
そうそう。学園祭の3分間の仮装行列も見事でした。年々3分間という限られた時間がうまく使えるようになっています。
(吉野先生)
ボケ役などにも照れずに取り組めるようになるのは力のある証拠だと思いますね。そのようなことができる子が増えています。
(中山)
楽しみなことですね。今後の改革をどのように進めるおつもりですか。
(北野先生)
現状に不満もあります。ただ、方向性は間違っていなかったと思うのでさらに実力をつけるための方策を実施しています。とはいっても、校長はお神輿に過ぎないので、実際には吉野たち現場の教員たちが中心に懸命に取り組んでいます。
(吉野先生)
生徒の進路希望がより具体的になっていますので、それに対応できるシステムづくりが急務ですね。現状の大学の体制では、たとえば宇宙工学を研究したいというと限られた大学になります。生徒の希望を叶えるには、結局のところはその大学の入試に対する指導をすることが必要になりますからね。
(中山)
やはり指導力のアップにつながりますね。
(北野先生)
それもあります。ですから、お互いの授業を公開して批評しあうという機会を増やしました。
(吉野先生)
一部しかなかったオリジナルテキストを少なくとも5教科に関しては作成し、それを基に指導する。さらにシラバスを再度考え直すことを進めています。
(中山)
教務スタッフの指導力の強化のためには、他校での研修や企業での研修などもお考えですか。
(吉野先生)
企業での研修は実施していませんが、私学どうしで研修会を持っています。これからは私学全体で教員の指導力の強化に取り組まなくてはならないと考えています。
数学科の教員がSOSの3校、品川女子、鴎友学園、洗足学園で研究会を開くのもその一環ですね。私たちより下の年代30代の教師を中心にして今進んでいます。
(中山)
お話しいにくいことかもしれませんが、最近は不登校などいろいろな問題を抱えた子どもたちが増えてきているように思います。鴎友学園ではいかがでしょうか。
(北野先生)
やはりあります。
保健室としての対応は、カウンセラーの先生に週2回1名ずつ来てもらい、精神科の先生にも一月に一度来てもらっています。加えて教員としていつも心にかけているという姿勢を見せることも大切だと考え対応しています。その結果、見事に直った生徒もいます。
(中山)
どのような対応をされたのですか。
(北野先生)
中1から保健室登校の子どもでした。最初からみんなと一緒の行動が取れないのです。私も保健室に出向いて本人から希望を聞いたのです。「自分は学校に通うのに疲れたから、2、3か月休みたい」というので、ご両親にそのことを伝えて希望どおりにしてもいらいました。
(中山)
ご両親はすぐに納得されたのですか。
(北野先生)
なかなかうまくはいきませんでしたが、最終的にお父さんが納得されて実行してくださいました。何の授業なら受けられるのか尋ねて、書道や美術、家庭科の授業をその子ひとりのためにやりました。卒業写真を校長室で撮りたいということで、その子の入っているクループ6人ほどで、ここで写真を撮りました。すべての症例にあてはまるとはいえないでしょうが、手を差し伸べる時期を誤らないよう心をくだくことで回復できる、とそのとき痛感しました。
(中山)
とても良いお話を伺いました。その他に印象の残ったことはありませんか。
(北野先生)
中高一貫だからできることでしょうが、3年のところを4年かかる生徒も毎年1人くらいいます。下の学年の授業に参加して卒業式は校長室でするのですが、4年目の卒業でも晴れ晴れとして卒業してくれるとうれしいですね。今年もそのような生徒が1名いました。かつての同級生も何人かお祝いに来てくれました。他には、学校の奨学金の給付を受けた卒業生がそれぞれ希望の進路をとることができたと、報告してくれたこともとても嬉しかったですね。
(中山)
どんな奨学金制度ですか。
(吉野先生)
かもめ奨学金と言って、保護者に緊急事態が起こったときに授業料を免除する制度です。今年の卒業生では3名が給付を受けていました。
(中山)
本当に良い制度ですね。
「最終的には2月1日入試のみを目指す」
(中山)
長期的な展望に立って入試のシステムを変えてこられたと伺っています。今年(2002年)から始まった2月1日の募集もその一環だと思いますが、その狙いについてお伺いします。
(吉野先生)
短期的には再来年(2004年)の「サンデーショック」(注:主要校の入試が行われる2月1日が日曜日となり、女子学院などプロテスタント校を中心に多くの学校が2月2日に入試を移すこと)までに2月1日の学校として認知してもらうことです。
(中山)
最終的には2月1日の入試をメインにするおつもりですか。
(吉野先生)
そうです。ただ、現状の鴎友学園が2月1日をメインにしても優秀な生徒が数多く受験してくれるかというと、そうはいかないでしょう。次第に2月1日の募集を増やして徐々にメインの入試に変えていきます。
(中山)
具体的にお話いただけますか。
(吉野先生)
募集人員の見直しと並行して、現在の3回ある入試を2回に変更する予定です。そして、最終的には1回入試へと変更する予定で準備を進めています。
(中山)
すると2月1日のみの入試になりますね。
(吉野先生)
そうです。優秀な生徒が多数入学してくれるという判断ができた時点での実施になります。
(中山)
わかりました。次に、入試問題および配点についてお伺いします。
最近珍しくなった4科均等の配点ですが、今後も変更はありませんか。
(吉野先生)
ありません。現在の出題は形式、内容とも独自のものです。特に理科・社会については、「このような問題にも対応できる生徒がほしい、あるいは、なってほしい」というメッセージを込めています。配点を変えると内容も変えなくてはならないので出題の意図にそぐわないものになります。
(中山)
確かに知識だけを問うものではありませんね。
(吉野先生)
情報を読み、整理し、表現する力を診る問題を出そうと考えています。算数や国語でも記述の量を増やし、自分の考えを表現する力を診たいと考えています。
(中山)
現在の中学受験生にとっては、なかなか難しいことですが。
(吉野先生)
これからの日本を考えると、国際社会に出てバリバリ活躍する人間が必要です。これからは、前例やマニュアルがなければ動けない人間ではなく、自分で判断して動ける人間にしていかなくてはなりません。そのような人間には「表現する力」がとても大切です。
(中山)
同感です。現在の子どもたちは言語による表現力がどんどん低下していると感じます。その中で、鴎友学園を志望する生徒は受験の段階から国語の力が高いです。
(吉野先生)
そうですね。ありがたいと思います。論理的な思考の基本なので、入学後も国語の力は重視して指導しています。
(北野先生)
鴎友の生徒の国語の力が高いことは図書館の利用率が高いことでもわかります。これは入試問題で長い文章を出していることにも関係があると思います。
(中山)
一時、国語の問題レベルが下がったように思います。今後はレベルを下げないようにお願いします。
(吉野先生)
即日発表を実施しなくてはならないということで、記述量を意図的に減らしていました。しかし、これではいけないと反省して翌日発表に改め、記述量を増やしました。今後は、新しい指導要領に関わらず、一定レベルの問題を出し続けていきたいと思います。
(中山)
ひとつ希望を言わせていただきます。英語の学力は模試のデータなどを見ると、平均的には高いと思います。が、トップレベルの層が薄いように感じます。今後の指導力アップの課題だと思います。
(吉野先生)
その通りかもしれません。高校受験がなくなったため、英語科が入試問題を作り、その結果を指導に反映させることができなくなったことにも関係があると思います。改革の中で行うテキストの作成、シラバスの再考を通じて強化を図りたいと思います。
(中山)
小学校で英語が導入され、生徒の理解度に大きな差が生まれることが予想されます。その対応も検討されていますか。
(吉野先生)
英語科の改革のポイントとして、いかに早く格差を埋めて全体的なレベルを上げていくかということと、志望に応じてレベルアップを進めることを課題に取り組んでいます。それができればご期待に沿えると思います。
(中山)
最後に、校長先生から受験生ならびに保護者へのメッセージをお願いします。
(北野先生)
私どもの説明会や学校行事へ何度か足を運んでいただき、生徒の生の姿を見て鴎友学園をよくご理解の上、納得して進学していただきたいと思います。仮に第1志望ではなくても、「自分の第1志望を滑った」という思いを引きずって通うのでは無意味な6年間になってしまいます。皆さんにとって満足できる6年間を鴎友学園で過ごしていただきたいと思います。
以上
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