算数


    「観覧車の回転と周期性の利用」

    円周上の点の移動を考える場合、時計算の計算法と周期性に注目する必要があります。こ
    の問題はそのような問題の典型問題です。やや難しい計算が含まれますが、練習問題とし
    ても良いものです。

<問題>

 答えだけでなく、途中の計算、式、図なども書きなさい。

 図のような二重の観覧車があり、すべての箱は等間隔で並んでいます。外側の観覧車は
時計とは逆回りに1周16分、内側の観覧車は時計回りに1周12分で回っています。今、
A君、B君、C君の3人が図の位置にある箱に乗っています。

 
 次の問いに答えなさい。

(1) A君、B君の位置と、観覧車の中心Oの3つが、はじめて一直線上に並ぶのは、今か
 ら何分後ですか。


(2) A君が今から2周する間に、内側の観覧車の箱と何回すれ違いますか。


(3) この観覧車では、ある箱に乗った人から見える範囲が限られています。図1の(あ)
 の角のように、90°以下ならばEからDは見えますが、図2の(い)の角のように、
 90°をこえると見えなくなります。


 今から1時間のうちに、B君からA君、C君の2人とも見えるのは何分間ですか。















<解答>

(1) 同じ円周上にはありませんが、旅人算(時計算)の考え方を利用して解くことができ
  ます。

  考えやすいようにA君の乗った箱、B君の乗った箱をそれぞれ点A、Bと表します。

   点Aの速さ 360度÷16分=毎分22.5度
   点Bの速さ 360度÷12分=毎分30度

  3点O、A、Bが一直線上に並ぶのは、角AOB=0度または180度のときです。

  角AOB=0度の場合は、両方あわせて360度進んだときで、角AOB=180度
  の場合は、両方あわせて180度進んだときです。早い方を考えて、 

   180度÷(毎分22.5度+毎分30度)=3

                                答 3


(2) 内側の観覧車に8つの箱があるので、

   360度÷8=45度

  45度の間隔で箱があります。

   45度÷(毎分22.5度+毎分30度)=

  A君は分間隔で内側の観覧車の箱とすれ違います。

   16分×2÷分=37

  よって37回

                                答 37回


(3) 周期算の問題です。

  内側の観覧車を固定して考えたときの外側の観覧車の進む速さは、反時計回りで毎分
  52.5度です。

  A君の箱が見えるのは、次の図の範囲で、


   90÷52.5=1

   270÷52.5=5

   360÷52.5=6

  A君の箱が見えるのは、1周の間では0分〜1分、5分〜6分です。

  B君の箱が見えるのは、次の図の範囲で、


    30÷52.5=

    210÷52.5=4分

   C君の箱が見えるのは、1周の間では分〜4分です。

   両方に共通するのは、分〜1分です。

   60分間に観覧車は、

    60÷6=8回転あまり5

   したがってA君、C君が両方とも見える時間は、

    (1)×9=10分間

                                答 10分間 


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