算数


    「三角形の面積比」

    1つの角を共通に持っている2つの三角形の面積比はその角をはさむ2辺の長さの積で考
    えることができます。入試問題ではよく使う性質なのでしっかり覚えて計算に使えるよう
    にしましょう。

<問題>

 AB,BC,CAの長さが,それぞれ5cm,6cm,7cmの三角形ABCがあります。
AB,BC,CAの各辺上に,点D,E,FをADとAF,BDとBE,CEとCFの長
さがそれぞれ等しくなるように,図のようにとります(同じ印は,長さが等しいことを表
します)
    

(1) AD+BE+CFの長さを求めなさい。


(2) AD,BE,CFの長さをそれぞれ求めなさい。


(3) 三角形ADFの面積は,三角形ABCの面積の何倍ですか。


(4) 三角形DEFの面積は,三角形ABCの面積の何倍ですか。















<解答>

*3辺の長さの和と各辺の長さを文字で表すと式がわかりやすくなります。

(1) AD=AF=a,BD=BE=b,CE=CF=cとすると、

   AB+BC+CA=(a+b)+(b+c)+(c+a)
           =(a+b+c)×2

  また、

   AB+BC+CA=5cm+6cm+7cm=18cm

  AD+BE+CF=a+b+c だから、

   a+b+c=18cm÷2=9cm

                               答 9cm


(2) (1)より、

   a+b+c=9cm

  また、

   a+b=5cm b+c=6cm c+a=7cm

  これらから、

   a=(a+b+c)−(b+c)
    =9cm−6cm
    =3cm

   b=(a+b+c)−(c+a)
    =9cm−7cm
    =2cm

   c=(a+b+c)−(a+b)
    =9cm−5cm
    =4cm

                     答 AD=3cm、BE=2cm、CF=4cm

 *この計算法は、3つの量のうちで2つずつの和が分っているときに、それぞれの量を
  を求める時に使われるものです。必ず覚えておきましょう。


(3) 2つの三角形で1つの角がお互いに等しい時、その面積比は等しい角をはさむ2つの
  辺の長さの積の比で求めることができます。

    

  三角形ADFと三角形ABCでは、角Aが共通なのでその面積比は、

   (AD×AF):(AB×AC)=(3×3):(5×7)
                  =9:35

  これから、

   9÷35=

                               答 倍 


(4) 三角形DEFと三角形ABCの面積比は直接求めることはできませんが、(3)の方法
  を用いて、3つの三角形ADF、BED、CFEがそれぞれ三角形ABCの何倍の面
  積を持つかを考えると求めることができます。

  まず、

   (BE×BD):(BC×BA)=(2×2):(6×5)
                  =2:15

  これから、三角形BEDは三角形ABCの倍の面積だとわかります。

  次に、

   (CF×CE):(CA×CB)=(4×4):(7×6)
                  =8:21

  これから、三角形CFEは三角形ABCの倍の面積だとわかります。

  三角形DEFは、三角形ABCから3つの三角形ADF、BED、CFEを除いたも
  のなので、

   1−()=

                               答 


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