算数


    「周期的に動く点と面積」

    動点の問題にはある時点の点の位置関係を考えて長さや面積を求める問題があります。こ
    の問題もその例です。周期の考え方も含まれたものでなかなか良い問題です。

<問題>

 図のような1辺の長さが5cmの正方形を組み合わせて作った回路に1〜9までの地点と,
回路上を下の規則にしたがって一定の速さで移動する4つの点A,B,C,Dがあります。
最初,4つの点A,B,C,Dはそれぞれ地点3,7,1,9にあり,そこからいっせい
に動き始めます。

    

(規則)
 点Aは,4秒かかって3→2→5→6→3と1周し,この移動をくりかえします。
 点Bは,8秒かかって7→8→5→4→7と1周し,この移動をくりかえします。
 点Cは,12秒かかって1→2→5→4→1と1周し,この移動をくりかえします。
 点Dは,20秒かかって9→8→5→6→9と1周し,この移動をくりかえします。

いま,4つの点A,B,C,Dについて,直線AC,直線AD,直線BC,直線BDとで
囲まれた部分の面積を考えます。ただし,2つの点が重なった場合,その2点をむすぶ直
線は考えません(例えば,点Bと点Dが重なった場合は直線BDは考えません)。

このとき,次の問いに答えなさい。

(1) 点が動き出してから,5秒後の面積を求めなさい。

(2) 点が動き出してから,119秒後の面積を求めなさい。

(3) 点が動き出してから,はじめて4つの点のうちの2つの点が重なった瞬間の面積を求
  めなさい。















<解答>

 まず、周期的に移動する各点の位置を確認しておくと良いでしょう。

  点A  0秒など4で割り切れる秒数のとき………………3
      1秒など4で割ると1余る秒数のとき……………2
      2秒など4で割ると2余る秒数のとき……………5
      3秒など4で割ると3余る秒数のとき……………6

  点B  0秒など8で割り切れる秒数のとき………………7
      2秒など8で割ると2余る秒数のとき……………8
      4秒など8で割ると4余る秒数のとき……………5
      6秒など8で割ると6余る秒数のとき……………4

  点C  0秒など12で割り切れる秒数のとき……………1
      3秒など12で割ると3余る秒数のとき…………2
      6秒など12で割ると6余る秒数のとき…………5
      9秒など12で割ると9余る秒数のとき…………4

  点D  0秒など20で割り切れる秒数のとき……………9
      5秒など20で割ると5余る秒数のとき…………8
     10秒など20で割ると10余る秒数のとき………5
     15秒など20で割ると15余る秒数のとき………6


(1) 5秒後の各点の位置は、

   点Aは2
   点Bは5・4間の真ん中
   点Cは2から2・5間のだけ進んだところ
   点Dが8

    

  上の図で緑の三角形BCDの面積を求めます。

   (5+5×)×(5×)×=8cm2

                             答 8cm2


(2) 119秒後の各点の位置は、

   点Aは6
   点Bは4・7間の真ん中
   点Cは4から4・1間のだけ進んだところ
   点Dは6から6・9間の5分の4だけ進んだところ

    

  上の図で緑の四角形ACBDの面積を求めます。

   {(5×2分の1+5×3分の2)+5×}×10×
   =49cm2

                             答 49cm2


(3) 4点のうち2点が重なるのが何秒後か考えます。2つの点の動きは両方の周期の最小
  公倍数にまでで考えます。

  ア)AとBは5で重なる可能性があります。4と8の最小公倍数である8秒後までに
    2つの点が5にいるのは、

     A点  2秒後、6秒後

     B点  4秒後

    重なることは全くありません。

  イ)AとCは2・5間で重なる可能性があります。4と12の最小公倍数である12
    秒までに、2つの点が2・5間にいるのは、

     A点  1〜2秒後、5〜6秒後、9から10秒後

     C点  3〜6秒後

    6秒後に初めて5で重なります。

  ウ)AとDは5・6間で重なる可能性があります。4と20の最小公倍数である20
    秒後までに、2つの点が5・6間にいるのは、

     A点  2〜3秒後、6〜7秒後、10〜11秒後、14〜15秒後、
        18〜19秒後

     D点 10〜15秒後

    10秒後に初めて5で重なります。

  エ)BとCは5・4間で重なる可能性があります。8と12の最小公倍数である
    24秒後までに2つの点が5・4間ににいるのは、

     B点  4〜6秒後、12〜14秒後、20〜22秒後

     C点  6〜9秒後、18〜21秒後

    重なることは全くありません。

  オ)BとDは8・5間で重なる可能性があります。8と20の最小公倍数である40
    秒後までに、2つの点が8・5間にいるのは、

     B点  2〜4秒後、10〜12秒後、18〜20秒後、26〜28秒後、
        34〜36秒後

     D点  5〜10秒後、25〜30秒後

    26〜28秒後の間の初めて重なります。

  キ)CとDは5で重なる可能性があります。12と20の最小公倍数である60秒ま
    でに、2つの点が5にいるのは、

     C点  6秒後、18秒後、30秒後、42秒後、54秒後

     D点 10秒後、30秒後、50秒後

    30秒後に初めて5で重なります。

  よって、6秒後の図形の面積を求めます。

    

  上の図で緑の三角形ABDの面積を求めます。

    5×(5×)×=10cm2

                              答 10cm2


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