算数


    「周期性の問題」

    公倍数を考える周期性の問題は中堅レベルの学校でよく出されます。桜蔭中のような難関
    校で出される場合には,複雑な条件が付いていることが一般的です。

<問題>

 ある花火大会では,A,B,C3種類の花火を打ち上げます。1回目の3種類同時打ち
上げは午後7時に行われ,その後はAは6秒ごと,Bは10秒ごと,Cは22秒ごとに打
ち上げられます。

(1) 2回目の3種類同時打ち上げの時刻を求めなさい。途中の式も書きなさい。


(2) 何回目かの3種類同時打ち上げの直後,Cの花火だけが14秒ごとの打ち上げに変わ
  りました。すると21回目の3種類同時打ち上げが,午後8時38分となりました。
  Cの花火の打ち上げ間隔が変わった時刻を求めなさい。途中の式も書きなさい。


(3) (2)で求めた時刻までに打ち上げられたA,B,Cすべての花火のうち,単独で打ち
  上げられた花火は全部でいくつありますか。途中の式も書きなさい。















<解答>

(1) Aは6秒ごと,Bは10秒ごと,Cは22秒ごとに打ち上げれられるので,それらの
  最小公倍数の秒数間隔で同じ状態を繰り返します。

  
   2×3×5×11=330

   330秒=5分30秒

  よって,

   7時+5分30秒=7時5分30秒

                    答 午後7時5分(午後7時5分30秒)


(2) 変更後には,Aは6秒ごと,Bは10秒ごと,Cは14秒ごとに打ち上げれられるの
  で,それらの最小公倍数の秒数間隔で同じ状態を繰り返します。

  
   2×3×5×7=210秒

  330秒間隔と210秒間隔とがあわせて20回,合計時間1時間28分になること
  をつるかめ算を用いて解きます。

  330秒=5分,210秒=3分,1時間28分=88分なので,

   (98−3×20)÷(5−3)=14

  5分間隔が14回あった後に3分間隔に変わったことがわかります。

   5分×14=77分=1時間17分

   7時+1時間17分=8時17分

                    答 午後8時17分


(3) 330秒の間の打ち上げ方のようすを調べます。

  花火Aについて,330秒間の打ち上げは最初の1回を除き,

   330÷6=55回

  うち,Bと同時に打ち上げられるのは,6と10の最小公倍数が30なので,

   330÷30=11回

  うち,Cと同時に打ち上げられるのは,6と22の最小公倍数が66なので,

   330÷66=5回

  さらに,3つの花火が同時に打ち上げられる1回を考えると,花火Aが単独で打ち上
  げられるのは,

   55−(11+5−1)=40回

  同様に,花火Bが単独で打ち上げられるのは,

   33−(11+3−1)=20回

  同様に,花火Cが単独で打ち上げられるのは,

   15−(5+3−1)=8回

  330秒間で単独で打ち上げられる回数は,

   40+20+8=68回

  これが14度繰り返されるので,

   68×14=952回

                    答 952回

  *3つの集合が重なるベン図を用いて整理して解く方法もあります。       


ページTopへ