算数


    「相似の応用問題」

    この学校の後半2題は長い問題文を読んで考えるものです。主に図形や速さに関する問題
    が出され、うち1題は会話の形で穴埋めをしていくもの、もう1題はいくつかの設問に分
    かれたものです。図形では相似を使って考えるものが好んで出されます。この図形の問題
    は他の学校を志望する生徒にも解いてほしい問題です。


<問題>

F子さんは鴨の親子が編隊を組んで飛んでいる様子に興味を持ち,へリコプターに乗って鴨の親子が飛んでいる様子を調べてみることにしました。すると,鳴の親子は下の1図のように親鳥を先頭に左右対称のV字型に等間隔に編隊を組んで飛んでいることがわかりました。あとの問いに答えなさい。
  
[1]
 (1) F子さんが観察していたところ,鴨の親子が橋の架かった川にさしかかりました。
   上の2図のように先頭の親鴨が川の手前岸を通過してから,3図のように川の向こ
   う岸を通過するまでの所要時間は3秒です。F子さんは,この橋を60歩で渡った
   経験があります。F子さんの歩幅は0.5mであることを利用して鳴の親子の飛ぶ
   速さが時速何kmか求めなさい。


 (2) 4図にあるように,川の両岸には,橋のたもとから順番に等間隔に木が植えられて
   います。F子さんが,橋のたもとの植木Aから川に対して直角の方向に12歩だけ
   歩いた地点Cからは,植木Bまでがちようど20歩でした。植木の間隔は何mです
   か。3辺の長さの比が3:4:5の三角形は図のように直角三角形になることを利
   用して答えなさい。
  


 (3) 先頭の親鴨が川の向こう岸を通過してから2秒後に,一番後ろの子鴨が川のこちら
   岸を通過しました。このときの様子を示したものが5図です。よく見てみると,一
   番右後ろの子鴨は橋のたもとから数えて3本目の植木の真上を通過しています。 
   さらに向こう岸では,橋のたもとから数えて4本目の植木の真上を通過している子
   鴨もいるようです。このことから次のことが求められます。
  
  (i) V字型の一番後ろを飛んでいる2羽の子鴨は何m離れていますか。


 (ii)あの子鴨と親鴨の間には子鴨がもう1羽飛んでいました。
   子鴨は全部で何羽ですか。


[2]
 子鴨の中には比較的大きな大子鴨と,まだ小さな小子鴨がいます。大子鴨は親鴨が5回
 羽ばたく聞に6回羽ばたき,小子鴨は大子鴨が8回羽ばたく間に9回羽ばたきます。親
 鴨と大子鴨と小子鴨が同時に羽ばたいた直後から考えると,親鴨が1000回羽ばたく
 間のうち親鴨だけが羽ばたいているのは何回ですか。















<解答>

[I] (1) F子さんの経験から川幅を求めます。

      0.5m×60=30m

     また親鴨が川を渡るのにかかった時間が3秒とわかっています。

     式を1つにまとめる方が計算しやすいので、

     (30÷1000)km÷(3÷3600)時間
      =30÷1000÷3×3600
      =時速36km

                          答 時速36km

     *後で親鴨の秒速が必要になるので、まず秒速10mを出してから時速に
      直す方が良いという考えもあるでしょう。


   (2) CA:CB=12歩:20歩=3:5なので、

     CA:AB=3:4=12歩:□歩

     □歩=12歩×4÷3=16歩

    歩幅が0.5mなので、植木の間隔は

     0.5m×16歩=8m

                          答 8m


   (3) (i) 親鴨は川を渡ってから2秒進んでいます。

      そのときの親鴨の位置は川の向こう岸から、

       秒速10m×2秒=50m

      次の図で考えると、

    

       □m:8m=(20m+30m):30m

       □m=8×50÷30=13

      一番後ろを飛んでいる2羽の子鴨の間隔は□mの2倍になるので、

       13×2=26

                          答 26


    (ii)向こう岸とそこから20m離れた親鴨の位置の間に1羽の子鴨がいるという
      ことは、子鴨は川の両岸に平行で10mずつ離れた直線上に2羽ずつ並んで
      いることになる。

    
       50m÷10m=5

       2羽×5=10羽

                         答 10羽


[II] それぞれの鴨で同じ時間に羽ばたく回数の比は、

   親鴨と大子鴨では5:6、大子鴨と小子鴨では8:9

   連比で表すと、20:24:27

   親鴨が20回羽ばたく間に、大子鴨と一緒に羽ばたいているのは、

    1回目、6回目、11回目、16回目の計4回

   親鴨が20回羽ばたく間に、小子鴨と一緒に羽ばたいているのは、

    1回目のみの1回

   よって、親鴨だけが羽ばたいているのは、20回中では16回になる。

    16回×(1000回÷20回)=800回

                         答 800回

   *同時に羽ばたくということを、羽ばたき始めた瞬間がそろうことと考えると、
    答を求めやすいでしょう。

ページTopへ