速さに関するグラフの問題では2つ以上の物が移動する様子を表すものが一般的です。この問題では移動する物の速さと位置を考え,旅人算の公式を使って時間を答えるもので,最もよく出されるタイプの問題のひとつです。
ある鉄道はA駅とD駅の間で運転しています。
その状況は以下の通りです。
●急行と普通があり,急行はA駅とD駅のみ停車します。
●急行も普通も速さは同じで,AB,BC,CD駅間はそれぞれ10分かかり,停車駅では2分間停車します。
●A駅とD駅では急行が32分おき,普通は48分おきに出発します。
●2つの列車が同時に同じ駅を同じ方向に出発することはありません。
●午前5時の始発は急行がA駅とD駅,普通がB駅とC駅から出発し,この列車のみ午前中運転しています。
下のグラフはこのような状況を表したものです。このとき次の問いに答えなさい。
(1) C駅では,始発から午前7時までにA駅方向に普通が[ ]本出発します。
(2) A駅を午前8時44分に出発した列車が初めて他の列車とすれちがうのは[ ]時[ ]分です。
(1) 普通列車には最初にC駅を出発しCA間を往復する列車と,最初にB駅を出発しBD間を往復する列車があります。
CA間を往復する列車は5時以降に48分ごとにC駅を出発するので,
120÷48=2あまり24
7時までに5時発を含めて3回だけC駅を出発します。
BD間を往復する列車も48分ごとにC駅を出発します。
上の赤い線のように,B駅を出発してからC駅を出発するまでに
10×3+2×3=36分
5時36分に初めてC駅を出発してB駅に向かうので,
(120−36)÷48=1あまり36
5時36分発を含めて2回だけC駅を出発します。
3+2=5回
(2) 急行列車は32分周期,普通列車は48分周期で同じ状態を繰り返すので,両者の最小公倍数96分間で考えます。
始めの96分間をグラフに表すと,次のようになります。
どの時刻にA駅を発車した急行列車かを考えると,
224÷96=2あまり32
これから,A駅8時44分発の急行列車は,上のA駅5時32分発の急行列車(
赤)と同じ状況になります。
この急行列車が初めてすれ違う列車は(1)で考えたC駅5時36分発の普通列車です。
AB・BC・CD間をそれぞれ1すると,各列車の速さは,
1÷10=毎分1/10
5時36分(実際は8時48分)時点の両列車の距離は,
1×2−毎分1/10×(5時36分−5時32分)=8/5
すれ違うまでにかかる時間は,
8/5÷毎分(1/10+1/10)=8分
よって,
8時48分+8分=8時56分