過去にいろいろな学校で出されてきた問題です。筑駒が出したことによって中堅レベルの学校でよく出されるようになるかもしれません。頂点を通るところで区切れたグラフを書いて考えると意外にたやすく解くことができます。
図のように,辺ADの長さが10cm,辺CDの長さが5cmの長方形ABCDがあります。
点Oは長方形の内側にあり,Oから辺AB,BCに垂直な線をひき,交わった点をそれぞれE,Fとすると,BEの長さは2cm,BFの長さは4cmです。
点PはAを,点QはEを同時に出発し,長方形ABCDの周上を反時計回りに毎秒1cmの速さで進み,PがDに着くまで動きます。このとき,線OP,OQと長方形ABCDの周で囲まれた図形のうち,面積の小さい方について考えます。
次の問いに答えなさい。
(1) P,Qが出発してから4秒後の図形の面積を求めなさい。
(2) P,Qが出発してからの時間と図形の面積の関係を,グラフに表しなさい。
(3) 図形の面積が5cm2となるのは,P,Qが出発してから何秒後ですか。考えられるものをすべて答えなさい。
(1) 4秒後の図は次の通りです。
三角形BOPと三角形BOQに分けられるので、
三角形BOP=1cm×4cm÷2=2cm2
三角形BOQ=2cm×2cm÷2=2cm2
求める図形の面積は、
2cm2+2cm2=4cm2
(2) 2つの動点が頂点を通過する時刻でグラフの形が変わります。
点Pが 頂点Bを通過するのは、 5秒後
頂点Cを通過するのは、 15秒後
頂点Dに達するのは、 20秒後
点Qが 頂点Bを通過するのは、 2秒後
頂点Cを通過するのは、 12秒後
頂点Dを通過するのは、 17秒後
これらから、
1) 0〜 2秒後 点P、点Qとも辺AB上
求める面積は底辺3cmで高さ4pの三角形の面積で一定
2) 2〜 5秒後 点Pは辺AB上、点Qは辺BC上
求める面積は高さ4cmの三角形と高さ2pの三角形の面積の和で一定の割合で減少
3) 5〜12秒後 点P、点Qとも辺BC上
求める面積は底辺3cmで高さ2pの三角形の面積で一定
4) 12〜15秒後 点Pは辺AB上、点Qは辺BC上
求める面積は高さ2cmの三角形と高さ6pの三角形の面積の和で一定の割合で増加
5)15〜17秒後 点P、点Qとも辺CD上
求める面積は底辺3cmで高さ6pの三角形の面積で一定
4) 17〜20秒後 点Pは辺CD上、点Qは辺DA上
求める面積は高さ6cmの三角形と高さ3pの三角形の面積の和で一定の割合で減少
以上から、区切りとなる時刻の面積を順に求めます。
出発時の面積 3cm×4cm÷2=6cm2
2秒後の面積 6cm2
5秒後の面積 3cm×2cm÷2=3cm2
12秒後の面積 3cm2
15秒後の面積 3cm×6cm÷2=9cm2
17秒後の面積 9cm2
20秒後の面積 3cm×3cm÷2=4.5cm2
この変化の様子は次のグラフのようになります。
(3) 上のグラフで面積が5cm2になっている時刻を調べると,
1回目 2〜 5秒の間
2回目 12〜15秒の間
3回目 17〜20秒の間
それぞれ1秒間に面積が変化する割合を考えて求めると,
1回目 (6−3)cm2÷(5−2)秒=毎秒1cm2
2秒+(6ー5)cm2÷毎秒1cm2=3秒
2回目 (9−3)cm2÷(15−12)秒=毎秒2cm2
12秒+(5−3)cm2÷毎秒2cm2=13秒
3回目 (9−4.5)cm2÷(20−17)秒=毎秒1.5cm2
17秒+(9−5)cm2÷毎秒1.5cm2=19秒