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入試問題のポイント(算数)

■立体図形の表面積

複合立体の表面積を求めるためにはいくつかの工夫が考えられます。この問題のように隠れた部分がある場合には次のように解くことができます。 ます。十分に練習問題を解いて入試に臨みましょう。

■問題

 1辺の長さが1cmの立方体を接着して,図1のような山型の立体を作ります。ただし,この立体の内部は空になっていて,この立体を太線を通る平面で切断すると,切断面は図2のようになります。
図1のように作った山型の立体を「4段の立体」と呼ぶことにします。このようにして作った「10段の立体」について,下の各問いに答えなさい。


(1) 全部で何個の立方体が使われていますか。

(2) 内部もふくめた表面積は何cm2ですか。










■解答

(1) 上の段から順に1個,4個,8個,12個,…とあります。
  2段目以降のN段目の立方体の数は方陣算の計算法を利用して,
  (N−1)×4で求められます。
   1+4+8+12+16+20+24+28+32+36=181個
            答  181個

(2) 考え方は大きく分けると2つあります。
  ア)前後,左右,上下の6方向から見た図形の面積の和に,この6方向から見え ない部分の面積の和を加える
  イ)すべての立方体の表面積の和から接着してある部分の面積を除く

  ア)の場合を最初の4段目までの図を参考に考えます。

   前後,左右からは,正方形が上から順に1個,2個,…,10個積まれた形に見えます。上下からは,1辺10cmの正方形に見えます。
    1cm×1cm×(1+2+…+10)×4+10cm×10cm×2=420cm2
   6方向から見えない部分は,3段目からできます。前後,左右の4方向に,正方形が上から順に1個,2個,…,8個積まれた形に見えます。
    1cm×1cm×(1+2+…+8)×4=144cm2
   よって,
    420cm2+144cm2=564cm2

  イ)の場合,
   すべての立方体の表面積の和は,
    1cm×1cm×6×181=1086cm2
   同じ段で隣り合う立方体と接しているところは,上の段から順に,0か所,4か所,8か所,…,36か所,です。1か所につき2つの正方形の面積が減ります。
    1cm×1cm×(0+4+…+36)×2=360cm2
   また,上の段の正方形と接している部分は最初の2段目,3段目,4段目を考えると次の図のようになります。

   これから10段目は1辺9cmの正方形から1辺8cmの正方形を除いた形になります。すべてを加えると,1辺が9cmの正方形になります。
   その2倍の面積が減るので,
    9cm×9cm×2=162cm2
   よって,
    1086cm2−(360cm2+162cm2)=564cm2
            答  564cm2cm