工夫された図形の問題です。この問題で使われた三角形の外角の性質や面積計算の工夫は,よく使われるものなので,ぜひ覚えておきましょう
下の図のような図形があります。点B,点Dはそれぞれ円の中心で,角ABE,
角DAEの角度は角DCEの角度のそれぞれ4倍,3倍の大きさです。また,ABの長さは6cmです。
このとき次の問いに答えなさい。ただし,円周率は3.14とします。
(1) 角BAEの大きさを求めなさい。
(2) 三角形ADEの面積を求めなさい。
(3) 図の斜線の部分の面積を求めなさい。
(1) 角DCE=1とすると。角ABE=3,角DAE=4になります。
角ABEは三角形AEDの外角の1つで,その大きさは角DCEと角DEAと の和です。
角ABE=1+3=4
また,同じ円の半径はどこでも等しいので,三角形ABEはBA=BEの二等辺三角形です。
2つの底角は等しいので,
角BAE=角BEA=4
そして角DAE=4なので,三角形ABEの内角の大きさはすべて4で等しいことがわかります。三
角形ABEは正三角形です。
角BAE=180度÷3=60度
答 60度
(2) (1) の結果を利用すると,
角DAE=60度×=45度
AE=AB=6cm
三角形ADEはDA=DEの二等辺三角形なので,
角ADE=180度−45度×2=90度
三角形ADEは直角二等辺三角形だとわかります。
底辺AEが6cm,高さはその半分なので,直角三角形ADEの面積は,
6cm×(6cm÷2)÷2=9cm2
答 9cm2
(3) 斜線部分は直角二等辺三角形ADEと四分円DEFに分けられます。
四分円DEFの面積=円Dの半径×円Dの半径×3.14÷4ですが,円Dの半径がわかりませ
ん。
ここで,直角三角形ADEの面積が「円Dの半径×円Dの半径÷2」となることに目をつけます。
円Dの半径×円Dの半径=9×2=18
よって,
四分円DEFの面積=18×3.14÷4=14.13cm2
斜線部の面積は,
9cm2+14.13cm2=23.13cm2
答 23.13cm2
(別解)円の面積は内接する正方形の面積の1.57倍であることを利用すると,四分円DEFの面
積は直角三角形ADEの面積の1.57倍とわかります。
四分円DEFの面積=9cm2×1.57=14.13cm2
斜線部の面積は,
9cm2+14.13cm2=23.13cm2