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入試問題のポイント(算数)

■図形の角の大きさと面積

工夫された図形の問題です。この問題で使われた三角形の外角の性質や面積計算の工夫は,よく使われるものなので,ぜひ覚えておきましょう

■問題

 下の図のような図形があります。点B,点Dはそれぞれ円の中心で,角ABE, 角DAEの角度は角DCEの角度のそれぞれ4倍,3倍の大きさです。また,ABの長さは6cmです。
このとき次の問いに答えなさい。ただし,円周率は3.14とします。
   
(1) 角BAEの大きさを求めなさい。
(2) 三角形ADEの面積を求めなさい。
(3) 図の斜線の部分の面積を求めなさい。















■解答

 (1) 角DCE=1とすると。角ABE=3,角DAE=4になります。
   角ABEは三角形AEDの外角の1つで,その大きさは角DCEと角DEAと の和です。
    角ABE=1+3=4
   また,同じ円の半径はどこでも等しいので,三角形ABEはBA=BEの二等辺三角形です。
   2つの底角は等しいので,
    角BAE=角BEA=4
   
   そして角DAE=4なので,三角形ABEの内角の大きさはすべて4で等しいことがわかります。三
   角形ABEは正三角形です。
    角BAE=180度÷3=60度
                                   答 60度

 (2) (1) の結果を利用すると,
    角DAE=60度×=45度
    AE=AB=6cm
   三角形ADEはDA=DEの二等辺三角形なので,
    角ADE=180度−45度×2=90度
   三角形ADEは直角二等辺三角形だとわかります。
   
   底辺AEが6cm,高さはその半分なので,直角三角形ADEの面積は,
    6cm×(6cm÷2)÷2=9cm2
                                   答 9cm2

 (3) 斜線部分は直角二等辺三角形ADEと四分円DEFに分けられます。
   四分円DEFの面積=円Dの半径×円Dの半径×3.14÷4ですが,円Dの半径がわかりませ
   ん。
   ここで,直角三角形ADEの面積が「円Dの半径×円Dの半径÷2」となることに目をつけます。
    円Dの半径×円Dの半径=9×2=18
   よって,
    四分円DEFの面積=18×3.14÷4=14.13cm2
   斜線部の面積は,
    9cm2+14.13cm2=23.13cm2
                               答 23.13cm2

  (別解)円の面積は内接する正方形の面積の1.57倍であることを利用すると,四分円DEFの面
      積は直角三角形ADEの面積の1.57倍とわかります。
       
       四分円DEFの面積=9cm2×1.57=14.13cm2
       斜線部の面積は,
        9cm2+14.13cm2=23.13cm2