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入試問題のポイント(算数)

■速さと周期性

円や多角形など同じ場所を周回する時には一定間隔で全く同じ状況を繰り返します。最初に起こるまでの時間を求めて、その後は1回目と2回目までの時間を加えていくことですべてを考えることができます。

■問題

 図のように、円周の長さが90cmの円があり、3点A,B,Cは円周を3等分する点です。点Pは毎秒12cmの速さで点Aを、点Qは毎秒7cmの速さで点Bを、点Rは毎秒5cmの速さで点Cを、それぞれ図の矢印の方向(時計回り)に同時に出発しました。
 このまま、3点P,Q,Rが回り続けるとき、あとの問いに答えなさい。

(1) 点Pが点Qにはじめて追いつくのは出発してから何秒後ですか。
(2) 3点P、Q,Rがはじめて同じ位置で重なるのは出発してから何秒後ですか。
(3) 3点P,Q,Rがはじめて円周を3等分する位置にいるのは出発してから 何秒後ですか。















■解答

 (1) 最初、点Qは点Pより周進んだ位置にあるので、
   点Pと点Qとのはじめの隔たりは、
    90cm÷3=30cm
   点Pが点Qにはじめて追いつくのは、
    30cm÷(毎秒12cm−毎秒7cm)=6秒
                            答 6秒後

 (2) 点が重なるのは周期的に起こります。
   まず、点Pが点Qにはじめて追いついてから2度めに追いつくまでの時間を求めます。
   はじめて追いついたときに同じ位置にあるので、そこから点Pが点Qに1周差をつけると2度目に
  追いついたことにことになります。
    90cm÷(毎秒12cm−毎秒7cm)=18秒
   2度目以降も、18秒ごとに追いつきます。
    6秒後、24秒後、42秒後、60秒後、78秒後、96秒後、・・・
   同様にして、点Qが点Rに追いつく時を考えます。
   1回目は、
    30cm÷(毎秒7cm−毎秒5cm)=15秒
   1回目と2回目の間の時間は、
    90cm÷(毎秒7cm−毎秒5cm)=45秒
   よって、
    15秒後、60秒後、105秒後、150秒後、195秒後、・・・
   はじめて3点が重なるのは60秒後です。
                            答 60秒後

 (3) 3点が同時に動くと考えづらいので、点Qを動かない点と考えて解きます。
   この条件では、点Pは時計回りで速さが、
    毎秒12cm−毎秒7cm=毎秒5cm
   同様に、点Rは反時計回りで速さが、
    毎秒7cm−毎秒5cm=毎秒2cm
   3点の位置がお互いに周ずつ離れている場合は、次の2通りがあります。
   <1つめの場合>

   点P、点Rがもとの位置に戻るまでの時間を考えます。
   点Pがもとの位置に戻るまでに、
     90cm÷毎秒5cm=18秒
   これが「18の倍数」秒ごとに繰り返されます。
   点Rがもとの位置に戻るまで、
     90cm÷毎秒2cm=45秒
   これが「45の倍数」秒ごとに繰り返されます。
   これら2つの時間が初めてそろうのは、「18と45の最小公倍数」秒後なので、
   初めてこの状態になるのは90秒後です。
   <2つめの場合>

   点PがCの位置にくるまでに、
    60cm÷毎秒5cm=12秒
   その後「18の倍数」秒ごとに繰り返します。
    12秒後、30秒後、48秒後、66秒後、84秒後、102秒、・・・
   点RがAの位置にくるまで、
    60cm÷毎秒2cm=30秒
   その後「45の倍数」秒ごとに繰り返します。
    30秒後、75秒、・・・
   初めてこの状態になるのは30秒後です。
   よって早いのは30秒後です。
                            答 30秒後