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入試問題のポイント(算数)

■速さの応用問題

桐光学園の入試問題は図形の問題と、速さ・規則性・場合の数などを融合させた問題が多く出されます。そのため、図形の基本性質や長さ・面積・体積などの計算を正確に行い、解いていく必要があります。

■問題

 図のように,よこが70m,たてが42mの長方形と2つの半円でつくられたコース(図の太線部分)があります。Aさんは,スタート地点から図の矢印の向きに,直線を毎秒5m,曲線を毎秒4.71mで走ります。Bさんは,直線を毎秒7m,曲線をある一定の速さで走ります。Bさんが,Aさんと同時にスタート地点から反対の向きに出発し,26秒後にはじめてAさんと出会いました。
このとき,次の問いに答えなさい。
(1) Aさんがこのコースを1周するのに何秒かかりますか。
(2) Bさんが曲線を走る速さは毎秒何mですか。
(3) AさんとBさんがスタート地点から同時に図の矢印の向きに出発することにします。
  BさんがAさんに最初に追いつくのは出発してから何分何秒後ですか。
















■解答

 (1) 直線部にかかる時間は,
    (70m÷毎秒5m)×2
    =14秒×2
    =28秒
   曲線部にかかる時間は,
    (42m×3.14×÷毎秒4.71m)×2
    =14秒×2
    =28秒
   1周にかかる時間は,
    28秒+28秒=56秒
                               答 56秒

 (2) 26秒後に出会うので,その場所はAさんにとって最初の曲線部の途中です。
    26秒−14秒=12秒
   Aさんが走った曲線部が曲線部全体に占める割合は,
    12秒÷28秒=
   26秒のうち,Bさんが曲線部を走った時間は,
    26秒−70m÷毎秒7m=26秒−10秒
                =16秒
   Bさんが曲線部を走った速さは,
    42m×3.14×(1−)÷16秒=毎秒4.71m
                               答 毎秒4.71m

 (3) 2人が曲線部を走る速さは等しいので,直線部にかかる時間で差が開きます。
   そこで1周ごとに直線部PQ,RSを走っている時間を考えます。

   追いつくときにはAさんが走ったのが1周少ないので,次のように考えます。
    PQ間               RS間
      Aさん     Bさん       Aさん     Bさん
              0〜 10            24〜 34
      0〜 14  48〜 58    28〜 42  72〜 82
     56〜 70  96〜106    84〜 98 120〜130
    112〜126 144〜154   140〜154 168〜178
    168〜182 192〜202   196〜210 216〜226
    224〜238 240〜250   252〜266 264〜274
    280〜294 288〜298   308〜322 312〜322
   322秒後に点Sで追いつくことがわかります。
    322秒=5分22秒
                                答 5分22秒後
   <別解>
   この問題ではBさんがPR,RSの区間を走る時間以外がみな14秒と等しいので,
   Bさんが直線部を走る回数を求めることができます。
   Aさんが1周にかかる56秒だけ差をつければよいので,
    56秒÷(14秒−10秒)=14回
   Bさんが直線部を14回走り終わった時に追いつきます。
   Bさんが7週目に点Sを通過する時に追いつくのがわかるので,
    48秒×7−14秒=322秒=5分22秒