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入試問題のポイント(算数)

■水の入った容器に沈めた物体の体積

物体が完全に沈んでいる場合には,物体の体積とを水の体積を合わせた「水の見かけの体積」を考える必要があります。

■問題

 底面の円の半径が15cmである円柱の容器に水が入っています。その中に,図1のように半径15cmの球を入れると,水面の高さは球の直径と等しくなりました。球を取り出して水面の高さをはかると,球が入っていたときの水面の高さのになりました。

(1) 容器の中の水の量を求めなさい。
(2) 球の体積を求めなさい。
(3) 球を取り出したあと,図2のように,底面の円の半径が15cmである円すいを入れると,水面の高さ
  と円すいの高さが等しくなりました。円すいの高さを求めなさい。
















■解答

(1) 球が入っていない状態での水の深さを利用して求めます。

 水の体積は上の図で緑の部分の体積にあたります。
 その深さは,
   (15cm×2)×=30cm×
             =10cm
  中の水の体積は,
   (15cm×15cm×3.14)×10cm=706.5cm2×10cm
                     =7065cm3
                               答 7065cm3

(2) 球が完全に入っている状態での「水の見かけの体積」は,
   706.5cm2×30cm=21195cm3
  球の体積は上の図の赤い部分の体積にあたるので,
   21195cm3−7065cm3=14130cm3
                               答 14130cm3

(3) 底面積も高さも等しい円柱と円すいの体積の比は3:1です。

  これから,
   容器の中の水の体積:円すいの体積=(3−1):1=2:1
  水の体積が7065cm3なので,
   円すいの体積=7065cm3×
         =3532.5cm3
   円すいの高さ=3532.5cm3×3÷706.5cm2
         =15cm
                                答 15cm