2つ以上の物の動きを考える旅人算の問題はよく出されます。グラフを用いるものや速さなどの比を考えるものが多く出されますが、この問題は動く物の一方として「音」を使い基本公式をもとに解く問題です。よく読んで考えれば特に難しくはありません。
長さ1665mの鉄橋があります。A列車は長さ120m、時速90kmです。このとき、次の問いに答えなさい。ただし、音の速さは、気温0℃のとき毎秒331mで、1℃上がるごとに毎秒0.6mずつ速くなるものとします。
(1) A列車が鉄橋の50m手前で汽笛を鳴らしました。これを点Pの地点で作業している人が聞いたの
は、A列車が鉄橋の75mの地点にさしかかったところでした。このときの気温は何度ですか。
(2) A列車に向かって反対側からくるB列車はA列車と同時に鉄橋にさしかかりました。このとき,A列
車が汽笛を鳴らすとB列車の先頭にいる人がこの汽笛を聞いたのは,A列車が鉄橋の114mの地
点にさしかかったところでした。このB列車は時速何kmで走っていましたか。ただし,このときの気
温は25℃とし,小数第1位を四捨五入しなさい。
(1) 汽笛を鳴らしてからその音を点Pの地点で作業している人が聞くまでに列車か進んだ距離は、
50m+75m=125m
列車の速さ時速90kmを秒速に直すと、
時速90km×1000÷3600=秒速25m
この間にかかった時間は、
125m÷秒速25m=5秒
このときの音の速さは、
(50m+1665m)÷5秒=秒速343m
よってこのときの気温を求めるには、
(秒速343m−秒速331m)÷秒速0.6m=20
答 20℃
(2) 25℃のときの音の速さは、
秒速331m+秒速0.6m×25=秒速346m
A列車が出した汽笛の音がB列車の先頭に届くまでの時間は、
114m÷秒速25m=4.56秒
この間に音が進む距離は、
秒速346m×4.56秒=1577.76m
同じ時間で列車Bが進んだ距離は、
1665m−1577.76m=87.24m
列車Bの速さは、
87.24m÷4.56秒×3600÷1000=時速68.8・・・km
答 時速69km