数の性質を考える問題はいろいろな形で出されます。計算に関する問題以外に,規則性,場合の数の題材として整数が用いられる場合もあります。以下の問題は場合の数に分類されるものです。
0から9までの整数2つのかけ算0×0から9×9の100種類を使って,次のようにステップ数と終了解を考えます。はじめの2数の積が1けた(0を含む)のときは,そこで終了します。その積が2けたのときは,その十の位の数と一の位の数でかけ算をもう一度します。そして,その積が1けたのときはそこで終了し,2けたのときは,同じようにもう一度,十の位の数と一の位の数でかけ算をします。以下,同様に積が1けたになるまで続け,そのかけ算をおこなった回数をステップ数とし,最後の1けたになった数を終了解とします。
例えば,3×2=6 ステップ数1 終了解6
5×4=20 →2×0=0 ステップ数2 終了解0
となります。
次の各問いに答えなさい。
(1) 6×8のステップ数と終了解を求めなさい。
(2) 最初の100種類の中で,ステップ数が1となるものは何種類ありますか。
(3) 最初の100種類の中で,ステップ数が2で終了解が0であるものは何種類ありますか。
(4) 最初の100種類の中で,終了解が0であるものは何種類ありますか。
(1) 指定された通りに計算していきます。
6×8=48 →4×8=32 →3×2=6 ステップ数3 終了解6
答 ステップ数3 終了解6
(2) 100種類の計算のうち積が1けたになる場合を考えます。
0には何をかけても0なので, 10種類
1には何をかけても1けたなので, 10種類
2には0,1,2,3,4をかけたときが1けたなので, 5種類
3には0,1,2,3をかけたときが1けたなので, 4種類
4には0,1,2をかけたときが1けたなので, 3種類
5,6,7,8,9には0,1をかけたときだけ1けたなので, 10種類
よって,
10+10+5+4+3+10=42
答 42種類
(3) 100種類の中で積が2けたで一の位が0になる場合を考えます。
このような整数はすべて5と偶数の積です。積から順に考えます。
積 10は, 2×5,5×2の2種類
20は, 4×5,5×4の2種類
30は, 5×6,6×5の2種類
40は, 5×8,8×5の2種類
以上で,2種類×4=8種類 です。
答 8種類
(4) (2)(3)で書き抜いたものから数えると,
ステップ数1で,終了解0になるのものは, 19種類
ステップ数2で,終了解0になるのものは, 8種類
以下は,2つ前のステップでできた整数2けたが (3)の8種類に限られます。
ステップ数3で,終了解0になるのは,第1ステップでの結果が (2)の2数を十の位,一の位とする
数です。
積 25 5×5
52 なし
45 5×9,9×5
54 6×9,9×6
56 7×8,8×7
58 なし
85 なし
以上7種類です。
ステップ数4で終了解0になるのは,第2ステップでの結果が上の2数を十の位,一の位とする数
です。
積 55 なし
59 なし
95 なし
69 なし
96 なし
78 なし
87 なし
ステップ数5以降はありません。
19+8+7=34種類
答 34種類