麻布で出される「場合の数」や「規則性」の問題は図形に関係するものが多いのが特色です。この問題はその代表的なものですが,条件をよく読んで解けば見かけほど難しくはありません。
ー辺1cmの正三角形が図1のようにしきつめられてぃます。点Pがその辺上を,途中で同じ点,同じ辺は通らないように1秒間に1cmの速さで動きます。Pがある三角形の頂点から出発して4秒後に初めてもとの頂点に戻るとき,Pが動いてできる図形は,例えば図2のようになります。このとき,次の問いに答えなさい。
(1) Pが図の頂点Oから出発して5秒後に初めてもとの頂点Oに戻るとき,Pが動いてできる図形を一
つ次のらんにかきなさい。
(2) Pが図の頂点Oから出発して5秒後に初めてもとの頂点Oに戻る動き方は何通りありますか。ただ
し,動いてできる図形が同じ場合でも逆まわりは異なる動き方とします。
(3) Pがある三角形の頂点から出発して6秒後に初めてもとの頂点に戻るとき,Pが動いてできる図形
を考えます。それらをすべて次のページのらんに一つずつかきなさい。ただし,移動や裏返しで重
ね合わせることができる図形は同じものとします。また。次のらんはすべて使うとは限りません。
(1) 5秒後に戻ってくるので,周囲が5cmの図形です。
辺の数が3本,4本,5本ある図形が考えられます。
i)辺が3本の場合…この条件でできる三角形は正三角形だけなので適しません
ii)辺が4本の場合…上底が1cm,下底が2cmの等脚台形が考えられます
iii)辺が5本の場合…この条件では五角形はできません
(解答例)
(2) 対称なものも区別して数えることになるので, (1)の台形の4つの頂点の1つから出発して戻る場
合と下底の中点から出発して戻る場合が考えられます。出発点1つにつき,60度ずつずれた6つ
の形があります。(次の図参照)
また,同じ形の図形1つにつき右回りと左回りの2通りがあります。
よって,
5×6×2=60通り
答 60通り
(3) 進んだ距離が合計6cmなので,最大6つの辺を持ちます。
i)辺が3本の場合…1辺2cmの正三角形
ii)辺が4本の場合…2組の対辺がそれぞれ1cm,2cmの平行四辺形
iii)辺が5本の場合…なし
iV)辺が6本の場合…1辺1cmの正六角形と凹型の六角形
(解答例)