ページTopへ  

入試問題のポイント(算数)

■水の深さの変化の問題

今までに何度も取り上げてきたように,この種の問題はよく出される問題です。横浜共立では工夫された出題が多く,この問題も基本的な考え方をうまく組み合わせて考えさせるようになっています。そのためにいろいろな解法も使って正解を求めることができます。

■問題

 下の(図1)のような直方体の水そうに,底面と垂直になるように長方形のしきり板を2枚入れて底面を3つの長方形に分け,蛇口に近い方からA,B,Cとします。蛇口からAの部分に,一定の割合で静かに水を入れ始め,途中から入れる水の量を1倍に変えて水そうがいっぱいになるまで水を入れました。このとき,底面がAの部分の水面の高さと,水を入れ始めてからの時間の関係は,下の(図2)のグラフのようになりました。
 次の□に当てはまる数を求めなさい。ただし,しきり板の厚さは考えないものとします。

(1) (図1)の「あ」に当てはまる数は□です。

(2) 蛇口から入れる水の量を1倍に変えたのは,水を入れ始めてから□分後です。

(3) 水そうがいっぱいになるのは,水を入れ始めてから□分□秒後です。
















■解答

(1) A,Bそれぞれで低い方のしきりの高さ15cmまで水面がくるまでの時間を考えます。
   Aの部分は, 0〜 4分の間で 4分間
   Bの部分は, 4〜10分の間で 6分間
  A,Bの面積はこの時間に比例します。
  縦の長さが等しいので,
   18cm:「あ」cm=4分間:6分間
 これから,「あ」の値は27
                                    答 27

(2) 水を入れる量を変えないときの深さが27cmになるまでの時間を求めます。
  15cmの深さになるまで10分かかっているので,
   15cm:27cm=10分:x分
  これから,x分=18分
  入れる水の量と水面が同じだけ上昇する時間とは反比例します。
  よって,下のグラフのような関係が成り立ちます。

  入れる水の量を変えてから27cmの深さになった17分までの時間をy分とすると,
   y分:(18分−17分)=3:(4−3)
  これから,y分=3分
  よって,入れる水の量を変えたのは,
   17分−3分=14分後
                                    答 14

(3) Cの横の長さが必要です。
  入れる水の量を変えなければA,Bの部分が深さ27cmになるに18分かかります。
  入れる水の量を変えなければCの部分が深さ27cmになるのにかかる時間は,
   (26分−17分)÷=12分
  Cの横の長さは,AとBの横の長さの和と比べると,
   12分÷18分=
   (18cm+27cm)×=30cm
  A,Bの部分が深さ15cmになるのに10分かかるので,水面が上がる速さは,
   15cm÷10分=毎分1.5cm
  26分以降は,底面積が増えます。
   (18cm+27cm+30cm)÷(18cm+27cm)=1
  これから,水面が上がる速さは,
   毎分1.5cm×1÷1=毎分1.2cm
  容器に水がいっぱいになるには,
   26分+(35cm−27cm)÷毎分1.2cm=32
                       =32分40秒
                                     答 32,40

 *他にもいろいろな解法がありますが,ここではグラフを考える基本である「変化の割合」を使って考える解法を採りました。