容器に水を入れるときの水量(水位)を考える問題は容器の形や入る水の量に変化をつけて、体積の公式を適切に使えるかどうかを診る問題です。この問題では容器から溢れた水の体積も考え合わせて計算する必要があります。
下図のような直方体の容器A,B,Cがあります。容器Bを容器Cの中に,容器Aを容器Bの中に入れて固定します。容器Aに水を入れるとき,容器Aからあふれた水はすべて容器Bに流れ出し,容器Cに水を入れるとき,水の高さが容器Bの高さをこえると容器Bに水が流れこみます。また,容器Aの(あ)の部分には栓がついていて,栓を開くと,そこから水が毎分20mlの速さで容器Bに流れます。このとき,下の問いに答えなさい。ただし,容器の厚さは考えません。
(1) 容器Aの栓は閉じたまま,容器Aと容器Cにそれぞれ毎分50mlと毎分70mlの速さで水を同時に
入れます。容器Aの水がいっぱいになったとき,容器Bには何mlの水が入っていますか。また,容
器Bの水がいっばいになるのは水を入れ始めてから何分何秒後ですか。
(2) 容器Aの栓を開いてから,容器Aと容器Cにそれぞれ毎分50mlと毎分100mlの速さで水を同時に
入れます。容器Aの水がいっぱいになるのは水を入れ始めてから何分何秒後ですか。また,容器
Bの水がいっぱいになるのは水を入れ始めてから何分何秒後ですか。
(1) 容器Aに水がいっぱいなるまでの時間は、
(4×6×25)ml÷毎分50ml=12分
この時間までに容器Cに入った水の量は、
毎分70ml×12分=840ml
上図で青の部分全体の体積は、
(10×14-8×10)×10=600ml
上図で緑の部分全体の体積は、
(8×10-4×6)×10=560ml
よって、緑の部分に12分後までに入った水の量は、
毎分70ml×12分-600ml=240ml
緑の部分全体の体積より小さいので、この体積が容器Bに入った水の体積です。
緑の部分の残りには容器Aから溢れた水も入ります。
(560-240)ml÷毎分(70+50)ml=2分
容器Bに水がいっばいになるまでの時間は、
12分+2分=14
分=14分40秒後
答 240ml、14分40秒後
(2) 栓の位置まで水が入るのにかかる時間は、
(4×6×15)ml÷毎分50ml=7分
その後、いっぱいになるまでの時間は、
{4×6×(25-15)}ml÷毎分(50-20)ml=8分
よって、容器Aに水がいっぱいなるまでの時間は、
7分+8分=15
分=15分12秒
上図の青の部分にいっぱいになるまでの時間は、
600ml÷毎分100ml=6分
上図の緑の部分には、7分後まで毎分100mlで入るので、
560ml-毎分100ml×(7-6)分=440ml
残り440mlを入れる時は容器Aの栓から出てくる水が加わります。
440ml÷毎分(100+20)ml=3分
これは8分より短いので次図のように容器Aから水が溢れる前にいっぱいになります。
したがって、容器Bに水がいっばいになるまでの時間は、
7分+3
分=10
分=10分52秒
答 15分12秒、10分52秒