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入試問題のポイント(算数)

■三角形の面積比

この種の問題は中学入試で最もよく出される問題の一つです。「高さが等しい三角形どうしの面積比は底辺の比になる」や「相似な三角形どうしの面積比は対応する辺の長さの比(相似比)の2乗の比になる」などを用いて解くものです。

■問題

次の図で,三角形ABCと三角形EBFは正三角形であり,四角形CDEFは平行四辺形です。三角形EBFと平行四辺形CDEFの面積の比が,1:4のとき,次の問いに答えなさい。ただし,比はもっとも簡単な整数で表しなさい。

(1) BFとFCの長さの比を求めなさい。

(2) 三角形EBFと三角形AEDの面積の比を求めなさい。

(3) 三角形AEFの面積が8cm2のとき,三角形AEDの面積を求めなさい。

(4) 三角形AEDの面積と三角形DBFの面積が等しくなるように,点Dを辺ACにそって移動させまし
  た。このとき,ADとDCの長さの比を求めなさい。
















■解答

(1) 平行四辺形CDEFを対角線ECで分けると面積が等しい三角形が2つできます。

  三角形EBFと三角形EFCの面積の比は,
   1:(4÷2)=1:2
  この2つの三角形は高さが等しいので,面積の比は底辺BFとFCの比と同じです。
  よって,BF:FC=1:2
                                   答 1:2

(2) 三角形EBFと三角形AEDはとも正三角形なので,
   EB=BF,AE=ED
  また,四角形CDEFは平行四辺形なので,
   ED=FC
  これらから,三角形EBFと三角形AEDの相似比は,
   EB:AE=BF:FC
        =1:2
  よって面積比は,
   (1×1):(2×2)=1:4
                                   答 1:4

(3) 三角形AEFと三角形EBFは高さが等しく,底辺の比AE:EBは2:1です。

  よって,三角形AEFと三角形EBFの面積比も2:1です。
  (2) の結果から,三角形EBFと三角形AEDの面積比は,1:4
  連比をつくって, 三角形AEF:三角形EBF:三角形AED
              2  :   1
                     1  :   4
           ----------------------------------------
              2  :   1  :   4
  三角形AEFと三角形AEDの面積比は,2:4=1:2なので,
   8×2=16cm2
                                   答 16cm2

(4) 設問の意味を文字通り「点Dだけが動く」と考えるのがふつうですが,もともとの条件文から「点D
  が動くと同時に,点E・Fも動く」と考えることもできます。ともによく出される考え方が使われるの
  で両方の解答を示します。
  【解答1】
  点Dだけが動くと考える場合
  次の図のように,三角形AEDの底辺をAEとすると高さはDG,三角形DBFの底辺をBFとすると
  高さはDHになります。

   面積が等しい2つの三角形で,底辺の長さの比が2:1なので,高さの比は1:2だとわかります。
   三角形DAGと三角形DCHは相似で,相似比はDG:DH=1:2です。

   よって,対応する2辺の比DA:DCも1:2です。
                                   答 1:2
  【解答2】
  点Dが動くと同時に,点E・Fも動くと考える場合
  三角形EBFと三角形DBFは底辺が同じで高さも等しいので面積は同じです。

  三角形AEDと三角形EBFの面積が等しいと考えます。ともに正三角形なので,合同ならば面積が
  等しくなります。

   よって,AE:EB=1:1
   これから,AD:DC=1:1
                                   答 1:1