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入試問題のポイント(算数)

■線分比と面積比

この種の問題はいろいろなかたちで出されます。この問題は補助線を引いて長さを求めるもので,ややレベルが高いと言えます。補助線の引き方は何通りか考えられるので,以下の(2)(3)は1例として紹介します。なおこの問題は「メネラウスの定理」を知っていると,もっとかんたんに計算できます。この定理に興味がある人は塾で教えてもらうとよいでしょう。

■問題

 次のような長方形ABCDがあります。このとき,次の(1)〜(3)の問いに答えなさい。

(1) 台形ABCFの面積を求めなさい。

(2) 辺の長さの比GH:HCを求めなさい。

(3) 台形AECHの面積を求めなさい。
















■解答

(1) 上底,下底,高さがすべてわかっているので,
   (3cm+2cm)×5cm×=12cm2
                                 答 12cm2

(2) 点GからAFに平行にGIを引きます。
  三角形DAFで平行線と比例の関係を使うと,
   FI:ID=AG:GD=2:3

  これから,
   FI=FD×
     =1cm×
     =cm
  三角形CGIでも平行線と比例の関係を使います。

   CH:HG=CF:FI
        =2cm:cm
        =5:1
                                   答 5:1

(3) 対辺AE,FCが平行で長さが等しいので,四角形AECFは平行四辺形です。
  平行四辺形AECFと台形AECHの面積比を考えます。
  (2) で求めた比を使いたいので,点HからCDに平行にHJを引きます。
  三角形CGDで平行線と比例の関係を使うと,
   DJ:JG=CH:HG=5:1

  これから,
   JG=DG×
     =3cm×
     =cm
  三角形ADFでも平行線と比例の関係を使います。

    AH:HF=AJ:JD
         =(2cm+cm):(3cm−cm)
         =2cm:2cm
         =1:1
  平行四辺形AECFと台形AECHは高さが等しいので,面積比は,
   (AF+EC):(AH+EC)=(2+2):(1+2)
                  =4:3
  平行四辺形AECFの面積は,
   2cm×5cm=10cm2
  台形AECHの面積は,
   10cm2×=7cm2
                                  答 7cm2